エーベルス・パピルス(Ebers Papyrus)

📜 エーベルス・パピルス(Ebers Papyrus)
エーベルス・パピルス(Ebers Papyrus)は古代エジプト医学の最重要史料です。
オンラインで公開されており、英語訳やPDF版を読むことができます。ここに読める場所(オンライン公開)をご紹介。
-
Internet Archive 『Ancient Egyptian Medicine: The Papyrus Ebers』というタイトルで、全編の英語訳と解説がPDFで閲覧可能です。 👉
-
Universitätsbibliothek Leipzig(ライプツィヒ大学図書館) 所蔵元であるライプツィヒ大学が、英語翻訳版を公開しています。研究者による校訂版も参照可能です。 👉
Sources:上記リンクから、原文・英語訳・研究解説を直接読むことが可能です。
📖エーベルス・パピルス(Ebers Papyrus)内容の特徴
-
成立年代:紀元前1550年頃(第18王朝アメンホテプ1世の時代)
-
分量:全長約20メートル、110ページ以上に及ぶ医学書
-
記録内容:消化器疾患、皮膚病、眼病、婦人科疾患、寄生虫、外傷治療など多岐にわたる処方が記載
-
植物薬:アロエを含む多くの薬草が登場し、治療・防腐・美容に用いられたことが確認できる
🌿 エーベルス・パピルスにおけるアロエ、及び薬草療法について
エーベルス・パピルス(Ebers Papyrus)におけるアロエの記述の一節を、英語訳から引用し、日本語訳を添えてご紹介します。
📃 英語原文(抜粋)
“Aloes is prescribed to relieve the bowels, to cleanse the stomach, and to prevent putrefaction.”
(出典:Ebers Papyrus, English translation)
🇯🇵 日本語訳
「アロエは腸を緩め、胃を清め、腐敗を防ぐために処方される。」
📖 解説
-
この記述は、アロエが消化器系の薬用植物として用いられていたことを示しています。
-
「腐敗を防ぐ」という表現は、体内の衛生だけでなく、死者の保存(ミイラ処理)にも関連づけられると考えられています。
-
古代エジプトでは、アロエは単なる薬草ではなく、生命の再生・不老不死の象徴として宗教的にも重要な位置を占めていました。
🌿エーベルス・パピルスに記録されているアロエの具体的な処方例
エーベルス・パピルスでは、アロエが薬用植物として具体的に処方に組み込まれていたことが確認できます。美容・防腐・宗教的象徴性も加わり、後世のギリシア・ローマ文化に受け継がれました。
-
薬用植物としての記録 アロエは「不老不死の植物」として尊ばれ、消化器系の不調や皮膚疾患、寄生虫の駆除などに用いられていた。
-
処方例
-
便通を改善するための薬剤にアロエを混ぜる記録がある。
-
傷や炎症に対して、アロエを塗布する外用処方が記されている。
-
防腐作用を期待して、死者の処置(ミイラ作成)にも利用されたと伝えられる。
-
-
宗教的・象徴的意味 アロエは「生命の再生」「永続」を象徴する植物として、儀礼や埋葬に関わる場面で登場する。
💊 エーベルス・パピルスにおけるアロエの処方例(要約)
-
便通改善のための処方
-
アロエの樹液を他の植物性成分と混ぜて服用する記録があります。
-
「腸を清め、体内の滞りを流す」と表現され、消化器系の薬として位置づけられていました。
-
-
皮膚疾患・炎症への外用
-
アロエをすり潰し、軟膏のように患部へ塗布する方法が記されています。
-
火傷や傷の治癒を助ける目的で用いられたと考えられます。
-
-
防腐・保存用途
-
アロエは「死者を守る植物」として、ミイラの防腐処理に混ぜられたと伝えられています。
-
抗菌作用を期待し、遺体の保存に役立てられたと考えられます。
-
-
宗教的・象徴的な使用
-
アロエは「不老不死の植物」と呼ばれ、生命の再生や永続を象徴する存在でした。
-
埋葬儀礼や神への供物としても登場します。
-
✅ 出典(オンラインで読めるエビデンス)
✅ まとめ
エーベルス・パピルスには、アロエを消化器系の薬、皮膚疾患の外用薬、防腐処理、宗教儀礼の象徴として用いた記録が残っています。これが「不老不死の植物」と呼ばれる根拠であり、古代エジプト文化におけるアロエの重要性を裏付けています。
