タロットという卜術

タロットという卜術(ぼくじゅつ)は「今ここで」役立てるのに相応しい占術です。1年も2年も先のことを占断するのには適していないことは念頭に置きましょう。

何ごとも日々環境の変化を受けて様変わりしていくものです。ひとつの問題について、占いで問いたい質問も変わってくるでしょうから、その都度短いスパンを設定し具体的に占的をしぼること。これを繰り返しながら、長期的な事の成り行きを見守るというのがタロットの効果的な使用法でしょう。「将来的にどうなりますか?」・・・的な問いかけをタロットにするのは、いささかもったいないところなのです。

占的をしぼる作業について時間を割きます。細かく面倒に思われるかもしれませんが、ここで「タロットを使いこなす」取り組み方を身体で覚えて頂くと、後々何かとスムーズです。

たとえば、迷ったり、つまづいたり、もう一度占いなおす必要というのものは、タロットを解釈するなかでどうしても出てきます。その時、どこにどう立ち返るべきか、すなわち、より適切な占的のしぼりかたへと意識を向けることができるからです。

やみくもに同じことを何度も占い直すことと、ひとつの問題について占的を立て直し改めて占うこととは根本から異なります。

ビギナーは、占的を立てるというと、何かと「伸るか反るか」と質問しがちですので気をつけましょう。

(そういう中で、YESかNOか二つに一つのきっぱりとした占断を下す必要がある場合もありますので、また追って紹介していきます)

すべてのアルカナがYESかNO、どちらも解釈できるのです。どちらも正しい解釈です。これを丁寧に解説して、どういうスタンスで、どういう心持で、どういう言動で、比較的どちらを採用するのが相談者の人生なのかと、共に決定する作業が「タロット鑑定」なのです。両者話し合いの上に浮上する答えは、相談者か占師かどちらかがひとりで悩む類のものではないのではないでしょうか。

自分のことを占っているのなら、タロットの出目を見て自分が何を感じ、何を思うのか、しっかり明文化、すなわちはっきりと文書にして示しましょう。課題などで「ここが読めません」と書いてくる受講生がおりますが、読めないと書くより、そのアルカナから感じること、思うことを書き出して下さいと都度お願いしております。その延長にある「答え」を導き出する力を鍛えられるからです。自分の内面から目をそらさないことも大切です。しっかり書き留めることの効果を感じ取っていただきたいものです。

その際、ニュートラルな精神状態を維持しましょうと推奨しています。ニュートラルというのは、たとえば、自動車にニュートラル・ギアが入っている状態。平地では発進しませんが、坂道に置けば自然に動き出す状態で、ストップレバーはかかっていない車の状態です。人間の身体でいえばどこにも力が入っておらず、リラックスした状態、自然な動きができるでしょう。精神状態も緊張せず構えず、暑くも寒くもない春先のようなおだやかな状態です。
その状態で、タロット展開を見て「どう思うか」ではなく、タロットの絵柄が占的に対して何を伝えようとしているのか、そのメッセージを解釈することが大切です。

タロット・占術学習そのものが、自分の心に向き合い、過去や深層心理の傷を癒せる効果があることも、広く理解してもらえますようにという一心で当サイトは情報発信中です。

 

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