P.32 練習問題の解説Trial2とAnswer&Point

【国書刊行会】「マルセイユ・タロット教室」に掲載されている練習問題を読んでみましょう。

練習問題は、「架空の相談者」からの相談です。架空とは言え、解釈の導き出しにより、アルカナを理解できるという着地点を踏まえたオリジナルかつスペシャルな相談内容です。

たとえばタロット鑑定を行うにあたっては、まず相談のタイプを見極めていただくことも大切なのです。

まずはいっしょに読んでまいりましょう。

 

Trial……次の相談を読み、質問に答えましょう。

  • Bさん(男性、18歳、高校在学中)からの相談です。

「夏休みに入って、ファミレスでアルバイトを始めて2週間になります。仲間もできてバイト自体は楽しいのですが、水をこぼしたり食器を割ったりとミスが多いのです。昨日は注文を取り違えたうえに、コーヒーをこぼして、お客の服を汚してしまいました。店長から次にミスをしたらやめてもらうと言われました。かなり店長の当たりがきつく、このまま続けられるか不安です」

 

高校生さんのご相談、しかも夏休み! しかし3年生ともなれば、楽しいばかりではない夏休みにあって、バイトで落ち込んでいるBさん。んなんだったら辞めて勉強に集中しようかな、みたいなところもあるでしょうし、でも当のBさん以外にも、具体的に「仲間」「店長」も登場してきていますね、とくに後半のくだりは、「店長との確執」もテーマになっているみたい。相談の中にどういう登場人物がいるのかはとっても重要ですよ。

また、こういったニュアンスのご相談だと、要は「バイトをやめた方がいいですか?」的に二者択一をぶつけてくる相談者もいるかと思います。そういうタイプの相談はまた追ってということで。

今回はご相談者さんは明確に「このまま続けられますか?」「これからどうなりますか?」と今後の成り行きを明確に問うてもいませんね。

通常は、それを問うタイプの相談のほうが多いかもしれませんが、うーん、経験上は、こういう気持ちのモヤり感を訴えて来られるタイプも負けず劣らず多いかと。

スッキリしない不安感を訴えかけてこられていらっしゃり、占的の立て方もバリエーションが広がるところではありますが、やはり定番おススメの占的、アドバイス志向でいってみました

さて書籍の練習問題の「Q」=Question、即ち「問い」を引き続き読んでいきましょう。

 

Q……「Bさんは今ここでアルバイトをやめるべきか否か、Bさんを含めた周りのみんなのために取るべき行動は?」

という占的に対して、出目が「女教皇」正位置だった場合、あなたはBさんにどんなアドバイスをしますか?

図像が伝えること=図像が行っていることを読み解き、行動の指針や心構えを伝えて下さい。

 

占的が「Bさんは今ここでアルバイトをやめるべきか否か、Bさんを含めた周りのみんなのために取るべき行動は?」、長いですね! これがビギナーさん向けです。

たとえばここで、「Bさんはどうしたらよいでしょうか?」「Bさんへのアドバイスカードは?」てな程度の占的でもって一枚引きから行っちゃうのもありなんですが、、まだちょっと雑なんです。その雑さが、追々災いしてくるので、筆者の苦い経験を踏まえて少々まどろっこしい書き方をしております。

ビギナーさんの段階では、むちゃくちゃていねいに占的を立てていただきたいのです! ことばで言えば「ら抜き言葉」を使わないっていうイメージですね。

他にはたとえば、幼稚園児未満の小さい子に、なぜ赤信号のときは横断歩道を渡ってはいけないのかその根拠をわかるように説明せよと言われたような感覚でもって、タロットへの問いかけ文書を作成してみていただきたいのです。タロットさんは人間の言語や人間社会の常識、またその中でのあなた独自の価値観までも熟知した存在ではないからです。

単に「どうしたらいいでしょう?」では、返答に困るタロットさんなのです。あなたも、「調子はどう?」って聞かれてもなって思うように。

たとえばBさんとは違って、「他の人なんかどうでもいいです、自分さえよくなればそれでいい」という相談者が来たとしても、「他の人って誰ですか?あなた以外の全人類ですか?」「よくなればって、どうなるのがよいことになるのですか?」タロットさんは聞きたがるものなのです。この辺を踏まえていただければ。

今回問うているように、Bさんが言っている「バイトを辞めるか否か」も含め、またBさんが振れている他の登場人物さんたちとのことも含めた、Bさんの心のもち方や行動について、その「どうしたら?」に毎回しっかり肉付けして、占的の文書を作り上げましょう。当面は文書で書き起こしたほうがより身につきやすく、慣れてくれば頭の中で構築できますので、自然にできるようになるまでは明文化=文書化しましょうね!

 

さてさて解答例は?

 

P.33 Answer&Point ~解答と解説~

お願い☆

ここでは「解答例」より、その下の「Q……解説」のほうをしっかりを読んでくださいね!

書籍の「この本の使い方」P.16にもあるように、解答はあくまでも一例です。あなたの答えと一致している時、していない時、様々でしょう。むしろ「一致」は少ないかもしれませんね、ゼンゼン気にしないで!

人の数だけある解釈だからです。

「Q……解説」のほうでは、その解釈がどこから来ているのか明確にわかるように、全章で「キーワード」からどのように表現を広げていくかをお伝えしています。

 

それにまた別の占的で、この「女教皇」が出ればまた別の解答が導き出されるでしょう。

それでは今回はこれにて!

また、「女教皇」以外のアルカナが出た場合を、こちらにまとめましたので、参考になさってください。

占的は、P.32の練習問題で立てた下記の通りそのままです。

「Bさんは今ここでアルバイトをやめるべきか否か、Bさんを含めた周りのみんなのために取るべき行動は?」

※受講生さんページでPDFファイルでダウンロード可能となっております。

ま、あまりご自身の解釈が「正しいのか?」という頭にならないでOKです。基本がつかめているのなら、間違いではないでしょう。より、使える表現、役立つ表現、そんなものをお伝えしております。

何か観たことがあるドラマの中のセリフで心に残っているものがあります。実際口に出して言う人はいないだろうが、案外心中でそう思っていがちかもですね。解釈レッスンの際に、心に留めておきたいものです。

自分がいつも正しいと言っている人間は成長を止めたと言っているのも同じです

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