マルセイユ・タロット、おすすめのデッキは?

フランス・イタリア資料充実系3点

マルセイユ版にも色々ありますね、どれを使うのが良いのでしょうか?・・サブスクユーザー様より、ご質問をいただきました。

きっかけは「マルセイユ・タロット教室」P35下記の記述

「『ノブレ版』では、女帝の翼が肌色で、この色は女帝の人間性、他者の精神レベルを引き上げる力を表すものとされています。『ドダル版』では翼の色は水色、『コンヴェル版』『カモワン版』は青系です。水色、青は聖母マリアの聖水を示す色でもあり……」

 

など読むと、使う版によってもそれぞれ象徴とするところが変わったりすることがわかりました。

版によって思想のようなもの違うのでしょうか?

 

 

 

ナディアにおきましては!

マルセイユ・タロットはほぼフランス・イタリア産の資料を参考としており、ノブレ、カモワン、ホドロフスキー三者の解説は、具体的で実践鑑定に役立つ有益なものとして広くお勧めしております。

仰る通り、それぞれ、各所で異なる主張がなされるところもあります。

が、まったく相反する異説を唱えあっているわけでもありません。相通じる一貫性も感じられ、読み込み、自分なりに融合させることもありなのでしょう。

対して、微妙な違いを徹底して追及するのも、ひとつの研究。ひとつの流儀を深く貫かれたい場合は、よそ見をせずに、ひとつの思想に特化して学ばれていかれることなのでしょう!

「諸説があります」が通説のこの業界。各所で何かと反論されたり、突っ込まれたりすることも想定すると、、ノブレ、カモワン、ホドロフスキーらの体系的な解説をざっくりと抑えておきつつ、内どれかひとつを掘り下げて実践に活用する、というのが私自身のやり方となっております。当方が実践に役立たせているのはノブレの主張で、「マルセイユ・タロット教室」の11ページにまとめさせていただいております。

またこれを皆さんがどう活用するかというもの難しいところでしょうが、ご自身の納得のいく活用法で、自信がない内は、特段に色で象徴的に読まずとも、よろしいのです。

色彩以外にもふんだんにタロットはメッセージを伝えてくれるもの。

というわけで「出処(でどころ)の確かさ」「伝統」「読みやすさ」を総合判断したマルセイユ・タロットのおススメは下記6点。

1 ノブレのマルセイユ・タロット

現存する最古のマルセイユ版が、パリの彫刻家でもありカードメイカーでもあったジーンもしくはジャン・ノブレ(Jean Noblet)の作品です。画像はインターネット・タロット美術館にて

1659年の原版がフランス国立図書館に保存されています。

このノブレだけが彫刻家とメイカー(販売元)を兼任していた唯一の存在であるとも伝わっています。

サイズがフランス図書館の原本に充実に再現されておおよそ縦横10✕6cmと小ぶりなところも扱いやすくておススメ。角が尖っていますが、紙やすりでこすってみている方もおり。その際のサンドペーパーは#1000以上のごく繊細なものがおススメ。百均で購入できるはず!

ノブレのマルセイユ・タロット(78枚完全版)楽天市場で取り扱い中

※大アルカナ22枚のみのハンドステンシル版もあります!

2 ホドロフスキーのマルセイユ・タロット

「シンボルは人生の各ステージについての、精神的もしくは内的表現であり、タロットのように象徴的な言語の内にあるものはすべて、無限の可能性を秘めています」

象徴化することの重要性を伝え続けているホドロフスキー氏 ーー どちらかというと映画監督として、タロットを通して作品発表、著作物を刊行してこられたイタリアの巨匠ですが、2022年いよいよ堂々のオリジナル・マルセイユ・タロットを刊行!

それが「Io, I Tarocchi」でした。画像はインターネット・タロット美術館にて

「イオ」=「私」です。邦題「私 タロット」です。

タイトルには、このタロットを手にする人が、そのデッキを「私自身のタロット」にしてもらえるようにという願いが込められているのではないでしょうか。

タロット占術は「このカードが出たらこう読む」とリーディングをパターン化させないことが大切です。各アルカナそれぞれに奥行きと幅をもたせたリーディングが推奨されています。

「Io, I Tarocchi」は当店でも楽天市場で取り扱い中

 

 

 

3 カモワン・タロット

フィリップ・カモワン/Philipe Camoin--由緒正しきマルセイユ・タロットの後継者と自ら称する現代メイカーさんです。

1760年ニコラス・コンバー版を受け継ぐ末裔(まつえい)としてタロット愛好家の間では周知の存在。

いわゆる「正当マルセイユ版」として名高いコンバー版で使用されていた版木を用いて、1861~1971年までマルセイユ・タロットとしてフランスで活躍されてきたというカモワン製造所。

21世紀に入って末裔のフィリップ・カモワン氏が、他の復刻版とは異なる高いCG技術でさらに精製した復刻版が注目を集め、今に至っております。

アルカナの絵柄は、細部に渡って長年の検証がなされた結果としての精巧なCG画像。他に類を見ない復刻版です。非常に学ぶべき事柄が多いデッキですが、以来、フィリップ氏が彼のカモワン版だけが唯一生粋の伝統あるマルセイユ・タロットであることを主張している点には一考の余地があるように感じられます。。当サイトはご覧いただいているように複数の多彩な魅力のマルセイユ・タロット推しでございます。

2000年に入って間もなく、カバラをはじめとする神秘思想の著述家大沼忠弘先生によって国内に年導入されセンセーションを巻き起こしました!

しばらくはカモワン&大沼先生のタッグで活動されていましたがどこかで袂を分かつこととなり。。

現在もなお世界を拠点に活躍中のフィリップ・カモワン氏ですが版権がお高いのも有名かと。著作物も本体もあまり画像がネットに上がっておりません。国書刊行会「マルセイユ・タロット」でも画像の掲載をあえなく断念しております。

Amazon.co.jpでは購入可能

上記は一応Amazonにブランド登録しているCAMOIN商品なので大丈夫かとは思われます。ブランド登録してあれば大丈夫というわけでもありません。タロット販売は自立独立運営サイト等海外直販ページが色々散見されております、カモワン以外でもくれぐれも違法販売・詐欺サイトにご注意の上!

 

4 イシス・タロット

カモワン入手できない!・・・嘆くことなかれ。
大沼忠弘先生ご監修のこちらがAmazonで購入できるではございませんか!

カモワン・タロットではありません。
国内にマルセイユ・タロットの伝統をお伝えくださいました、
またそして、ひとつ関連する思想のカバラの研究家でもあり、
西洋思想・古代哲学思想の第一人者でもある先生のタロットとして、
おススメさせていただきたいという逸品です。

5 クロード・バーデル/Claude Burdelのマルセイユ・タロット

 

「Tarot of Marseilles」(スカラべオ社製)

国書刊行会「マルセイユ・タロット教室」の巻頭カラー、そして解説文の挿絵に採用したのが1751年スイスのクラウド・バーデル作品の復刻版です。

マルセイユ版のスタンダード、かつビギナーにも扱いやすいものとして、イタリアのロ・スカラベオ社から名称「Tarot of Marseilles」として刊行されています。小アルカナについても正・逆の見分けがしやすくなっている点でもおススメです。人物の表情がより愛らしく、女性におススメ。

こちらの原版は失われていますが、1850年の復刻版がフランス国立図書館に保存されています。

「Tarot of Marseilles」(スカラべオ社製)は、当サイトでは次回入荷は2024年2~3月頃ということで、楽天市場で取り扱い中

 

6 NARITAÏ タロット《ザ・マルセイユ》 

成泰先生のNARITAIタロット。どうでしょう、こちらの表情、おお!と。

編集担当者様よりこちらの解説書の程、御献本いただけまして、さすがにお力を注がれただけあるという逸品です!

美術作品としてのマルセイユ・タロットの構図を読み解くという主旨ですが、タロットと言えばイタリア・ルネッサンス・・・とくるのはよくある流れ。

こちらの書籍では中東の歴史と地理についても地図・図解とともアルカナに結び付けてにていねいに解説されています。やはりタロットの歴史自体、中東の文化とどう交差しているのか? ますます力が注がれていかれるであろう観点からの貴重な研究所です。

図説や注釈が細かい。ここをはしょるとろくな記事になりません。著者&編集者の一体化したバランスを感じさせてくれる作品です。

マルセイユ・タロット=古い、むずかしい、かわいくない・・・!反応されること多々。

ならば、新しいマルセイユ版、読み手にやさしく親切、かつキャラクターが際立っている、これならどうだ!とおススメの話題作。Amazon.co.jpにて!

 

最終的にはご自身の「いいな!」の感覚に従って吉でしょう。

感覚=五感を重視して、目で観て触って・・・紙質、大きさも大事なことでしょう。

 

マルセイユ・タロットの時代の青

当時の色彩学として「青」が貴重な色であったことと、その濃淡によって表現がまた変わってくるというのは、色の歴史においても画期的な部分かと。ちょうどニュートンが色と七音=オクターブの対比を提唱したころにあって、基本の三色から七色への派生は、「占い学1色と12星座とパワーストーン」でも取り上げているので、ぜひ、お時間ありましたらオンラインにて!

占い学 その1(全4回) 色と星座とパワーストーン
ストリートアカデミーサイトへ
 
 
 

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