0  ZERO  The Fool/愚者

「The Pictorial Key to the Tarot=ウェイト版の原書」を元に創作しているウェイト&パメラがウェイト版を創り上げる創作ストーリーをお届けしています

『魂の命ずるがままに』という感覚が、重要でしょう。それを教えてくれるのが、タロット の『 愚者』 、すなわち魂の擬人像です。

Visconti Castle in Pavia,

パヴィア市民博物館 所蔵の復刻版マンテーニャ・タロッキ

サイズ 200 x l45 mm

こちらが『愚者』の原型であろう推定1460年、中世期に作られたマンテーニャのタロッキ・・・おそらくアンドレア・マンテーニャ作と認めてよいと考えられているこのデッキは総数50枚で、序列においてその最下位とされているのがこの『貧民』です。

イタリアのパヴィア市民博物館に、2022年12月現在所蔵されており、誰でも閲覧できますよ。

あ、私アーサー・E・ウェイト/Arthur Edward Waiteです!

 

アンドレア・マンテーニャはイタリア、ヴェネツァを代表する優れた版画師でもありますわ!あ、私一応美術の専門学校卒なので。

マンテーニャは、1449 年 18 才のときにフェラーラのレオナルド・デ・エステ侯爵に仕え、1451 年 エステ家にて「羊飼いの崇拝」を描いてブレイクしたとか。75 才で亡くなるまで、マントヴァの僭主ゴンザーガ家(Gonzaga)で画家として勤めていますね。

 

大英博物館所蔵にも、ハンス・ランデスペルダーのがん作が所蔵されているね。ハンス・ランデスペルダーは、有名画家の作品の複製品を依頼されて描いた商業絵師です。日本でも葛飾北斎のような有名画家の元で仕事をする商業絵師は存在していました。

下)大英博物館所蔵 ハンス・ランデスペルダー作「マンテーニャのタロッキ」の複製

下右が、もう少し進んだ近世、1700年代中期のフランスはマルセイユの『愚者』。

下左がスイスのタロット研究家、オスワルド・ヴィルト/Joseph Paul Oswald Wirthの作品です。オズワルド・ワースと表記されていることも多いです。

ジョセフ・ポール・オズワルド・ヴィルト(Joseph Paul Oswald Wirth、1860年8月5日、ベルン州ブリエンツ – 1943年3月9日)・・wiki情報。

オズワルド・ヴィルト・タロットはインターネットタロット美術館にて、2つのタイプが公開中。直リンクはこちら→カバリスティック・タロットとその進化系。

ウェイトが1857年生まれなので、ほぼ同期と言える2人のタロット研究家です。

 
 

それからこちらがフランスの研究家、ジェラルド・ヴィンセント・アンコース・パピュ(Gérard Anaclet Vincent Encausse Papus)が書いたThe Tarot of theBohemians!(ボヘミアン・タロット)の1892年初版英訳書、私が編集を担当!

上記:現在出回っているペーパーバック。こちらには明確に、表紙を開けたあとの扉の表紙に「第三刷 序文・アーサー・エドワード・ウェイト」という記載があります。

パピュの原書はこちら!

 

「パピュさんは『愚者』の項で、マルセイユ・タロットとオスワルド・ヴィルトのタロットの2枚を参考図版に上げているわけですね……いわゆる道化のような、物乞いのような、品位としては下の下ってイメージですね」

「パメラ君には、この『愚者』をもっと私たちに近いイメージで、描いていただきたい! 無邪気で、純粋無垢な子どもの姿でよかろうかとさえ、私は思っていてね。この世に生まれたこと、人生を与えられたこと、そんなことなど理解できない赤子の魂のままに、この世の冒険に乗り出す若人の絵柄を描いていただきたい……あなたのその感性で!」

※以下 赤字Arthur Edward WaiteのThe Pictorial Key To The Tarot 原文より

 「絵の才能はまるでない私ですがね、もし描くとしたら、

あたかも地球とその拘束力が彼に対してほとんどないかのように、軽い足取りで、華やかな衣装に身を包んだ一人の若者を崖っぷちに描いていただきたい!

 自分が危険な場所に立っていることをまるで知らないかのように……そう、彼は未だなにも知らない!彼の前には未知の世界が広がっているのです。

自分がこのまま空を飛んでいけると思い込んでいるかのように、落ちたとしても、天使が彼を支えることを知っているかのように上を見上げているのです

そんな上ばかり見ている若い子だから、その 足元に犬を、、飛び跳ねている 白い犬がよいでしょう。他にも白いモティーフを描き込んで下さい」

「白バラはいかがでしょう、服の色も白に!」

「はい……でも、服については白装束のみではいけません……それは別のアルカナのためにとっておかねば。何か上着を、子どもらしい明るい花模様で」

アサガオはどうでしょう?」

「おお! よい案です^^」

 

「マルセイユでもヴィルトのタロットでも、棒をかついで荷物を下げていますが……?」

「荷物は必要だね、そして彼は王子から、あまり貧相にはしないでください

「えっ王子なんですか?」

そう、荘厳な朝の輝きの中を旅するもう一つの世界の王子です生れてくる子供は皆、この世の王子なんだ。誰もがこの世界の豊かな資源であり、固有の力を持っている。

「では帽子や持ち物なんかは良質のあつらえものにしておきましょう……片手には高価な杖、そこに凝った刺繍のあるウォレットを下げて右肩に乗せて

 

「そうして必ず彼を見守る太陽を入れてください

彼の後ろで光り輝く太陽は、彼がどこから来たのか、どこへ行くのか、長い時間が経ってから、違う道をどのように帰ってくるのかを知っているんです。 

ただ十九番に『太陽』という札がありますから、似通らないように――」

「うーん……難しいですね」

「絵画の世界では、光はイエローで表されるものだが、しかし実際には太陽の色は、色味を感じさせない無色透明に近い白光色です。この二つの光を使い分けてはいかがだろう?」

「なるほど、カバラのアイン・ソフ、白く輝く光をそう呼びましたね……」フフッとパメラは笑い声を立てた。「私がここ何年かで妙な交霊会に出入りするようになったり、カバラや生命の樹に興味を持ち出した意味が、今わかりましたわ……何だか楽しくなってきましたわ……いえ、創造意欲をかき立てられます! きっと、よいものを描いてまいりますね」

後日パメラのラフが提出され、最終的に下記に至るのでした。

 
 

参考)The Pictorial Key To The Tarot  Arthur Edward Waiteの原書より

With light step, as if earth and its trammels had little power to restrain him, a young man in gorgeous vestments pauses at the brink of a precipice among the great heights of the world;

あたかも地球とその拘束力が彼に対してほとんどないかのように、軽い足取りで、華やかな衣装に身を包んだ一人の若者が立ち止まっています。 自分が危険な場所に立っていることをまるで知らないかのように、あるいは、自分がこのまま空を飛んでいけると思い込んでいるかのように、絶壁の縁で足元を見ずに立ち止まっています。 世界の大いなる高みの中で。

 

he surveys the blue distance before him-its expanse of sky rather than the prospect below.His act of eager walking is still indicated, though he is stationary at the given moment;his dog is still bounding.The edge which opens on the depth has no terror; it is as if angels were waiting to uphold him, if it came about that he leaped from the height.His countenance is full of intelligence and expectant dream.He has a rose in one hand and in the other a costly wand, from which depends over his right shoulder a wallet curiously embroidered.

若者は足元に何が存在するかではなく、遠くに広がる空を見ています。この瞬間止まっているだけで、歩き出そうとしているのが分かります。彼の犬はまだ飛び跳ねています。もしこの高さを落ちたときに天使が待ち受け若者を支えることを知っているかのように、その深い谷間の縁で、恐怖が見えません。若者の表情は知性がみなぎり、広がる夢に満ちています。若者は片手にバラを持ち、もう片手に持った高価な杖は、凝った刺繍のある財布が下がり、右肩に乗っています。

 

He is a prince of the other world on his travels through this one-all amidst the morning glory, in the keen air. The sun, which shines behind him, knows whence he came, whither he is going, and how he will return by another path after many days.He is the spirit in search of experience.

Many symbols of the Instituted Mysteries are summarized in this card, which reverses, under high warrants, all the confusions that have preceded it.

In his Manual of Cartomancy, Grand Orient has a curious suggestion of the office of Mystic Fool, as apart of his process in higher divination; but it might call for more than ordinary gifts to put it into operation.

若者は、張り詰めた空気を漂わせる荘厳な朝の輝きの中を旅するもう一つの世界の王子です。彼の後ろで光り輝く太陽は、彼がどこから来たのか、どこへ行くのか、長い時間が経ってから、違う道をどのように帰ってくるのかを知っています。

若者は経験を求めて旅する精神を表します。神秘主義団体の多くのシンボルがこのカードにまとめられ、以前起こった混乱を確実に覆しています。

グランド・オリエントは、彼のトランプ占いの説明書で、彼の高度な占いとは別に、愚者の役割について興味深い提案をしていますが、それを実行に移すには一般的な才能以上のものが必要かもしれません。

 

We shall see how the card fares according to the common arts of fortune-telling, and it will be an example, to those who can discern, of the fact, otherwise so evident, that the Trumps Major had no place originally in the arts of psychic gambling, when cards are used as the counters and pretexts.

Of the circumstances under which this art arose we know, however, very little.The conventional explanations say that the Fool signifies the flesh, the sensitive life, and by a peculiar satire its subsidiary name was at one time the alchemist, as depicting folly at the most insensate stage.

私たちは占いの技術という一般概念にしたがって、カードがどのような方向性をとっていくのか見ますが、それはたとえば、識別力のある人には明白なことでもありますが、そもそも大アルカナは、数字や口実に使われるサイキック・ギャンブルの現場で発祥したものではないのです。

しかしながら、この技術がどのような状況の中であらわれたものなのかは、ほとんど分かっていません。従来の解説では、愚者は肉体と感じやすい生命を表すものであり、そのもうひとつの名称はかつての錬金術師であり、その最も感覚がなくなっている段階での愚行の描写だったのです。

 

ナディア・オフィスがお届けする
タロット・パラレルワールド~A.E.ウェイト物語~
本編は「月刊ステラ・マガジン」タロット・パラレル・ワールド (stellamagazine.net)にて☆彡

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