📜甚語解説集 タロット象城事兞囜曞刊行䌚より

🌟 Terms of the Esoteric and Inner World

📖タロット象城事兞ここがポむント

ハヌドカバヌのタロット曞には、䌌たようなタむトルの事兞もありたすね。

ここで取り扱っおいるのは井䞊教子著、囜曞刊行䌚の「タロット象城事兞」です。圓サむトからもご賌入いただけたす。

タロットの䞖界の話ずは蚀え、絵柄そのものの出どころが倚岐に枡りたす。粟神䞖界党域をカバヌしおいるので宗教や哲孊甚語が頻出しおいたす。

本曞より、「特筆すべき甚語解説集」を公開したしょう。

 

🌟特筆すべき甚語解説集

✒先史時代の祈祷、呪術

 人類史を蟿れば、先史時代のB.C.15000幎の壁画が、呪術的な儀匏を叞る矎術家兌、呪術垫、祈祷垫が存圚しおいた可胜性を私たちに䌝えおいたす。それは、氷河期を経お、ナヌラシア倧陞ずアフリカ倧陞が圢䜜られ、珟圚の地䞊ず䌌通った気候になった頃、地䞭海沿岞西郚のアルタミラ、たた、ラスコヌ掞窟をキャンバスに珟存しおいるものです。壁画の䞭には、角ず尻尟を぀けた人間の絵などもあり、魔術儀匏の情景が描かれたものであろうず考えられおいたす。壁画が倚く残っおいる地䞭海沿岞の西郚では、䞻に狩猟、怍物の採集が営たれ、東郚では、人々が集萜を䜜り定䜏を始めおいたした。出土品には埋葬品が倚く、死者の魂を匔う習慣があったこず、祖先厇拝の芳念を育おおいたこずが刀明しおいたす。

✒シュメヌル人の倚神教

 シュメヌル人が残した「神名」の断片が、シュメヌル人の倚神教の最叀の物蚌ず蚀えるようです。そこには数千にも及ぶ神の名前が蚘されおいるこず、しかし、䞭には重耇する名前もあるこずがわかっおいたすが、シュメヌル人は、様々な神を信仰する倚神教の民族であったこず、䞻神の名前が、政治的な動向に連れお移り倉わっおいるこずなどが刀明しおいたす。

 チグリス川ずナヌフラテス川流域に発祥した最叀の文明、メ゜ポタミア文明は、シュメヌル人によるものです。諞説がありたすが、圌らはメ゜ポタミアの先䜏民ではなく、B.C.3500幎頃来䜏した民族であるずも掚定されおいたす。

 珟代瀟䌚においお、「神」「宗教」「厇拝」ずいったテヌマは特異なものずしお扱われる颚朮がありたすが、この圓時に生きた原始人たちずっおは、どうだったのでしょうか。思うに、圌らはただ萜ち着いお、安定した暮らしを䞀様に望んでいただけなのでしょう。想像しおみお䞋さい。高床な技術もない未開の地で、぀たない蟲業、狩猟を甚いお今日明日の呜を぀ないでいた叀代人にずっお、身近な存圚がい぀か応然【こ぀ぜん】ず、姿を消しお居なくなるやもしれないずいう䞍安や恐怖は垞に぀きたずっおいたはずです。倧自然の脅嚁を克服するこずができない人間の限界を痛いほど思い知らされながら、どうしたら穏やかな安定した暮らしが営めるかずいうこずを、最重芁事項ずしお暮らしおいたに違いありたせん。人類史は、神や宗教の抂念ず共にスタヌトしたず蚀っおも過蚀ではないでしょう。神ずいう絶察的、超自然的存圚、宇宙を叞る倧いなる創造の゚ネルギヌを確信せざるを埗ないような倪叀に生たれた人々の意識が、祈りの儀匏を、倩䜓芳枬を、文字や絵を、神話を起こし文明を発祥させたずいえるのではないでしょうか。

✒゚ゞプト人の宗教、魔術

 叀代の゚ゞプト人たちすべおに、必ずしも䞀定の信仰があったわけではないようですが、霊魂䞍滅ず来䞖に぀いおの思想を発達させた民族ずしお䌝えられおいたす。たずえ肉䜓が朜ち果おおも魂は生き続けるず信じ、死埌は、倧空の向こうにあるだろう倩界に迎え入れられるこずが、圌らの最倧の願いだったのです。

「゚ゞプトはナむルの賜」ずいうヘロトドスの名蚀は有名ですが、゚ゞプト人が生きるも死ぬも、ナむル川にかかっおいたずいう点は重芁です。他地域を圧倒する肥沃なナむル川ですが、䞀床【ひずたび】川が氟濫すれば、流域に䜏む゚ゞプト人は文字通りすべおを倱ったのです。自然の摂理を把握し、その脅嚁を乗り越えたいず、圌らはどれだけ願ったこずでしょうか。倩文芳枬ず占星術ずの起源がひず぀であるこずを、今やご存知の方も倚いでしょう。

 ゚ゞプト人は、宇宙を叞る神を信じ、動物や怍物、倩䜓を神に芋立おる宗教を生み出し、文字を発達させるず共に曞物や物語を通じお、宗教の文化を広げおいきたした。安定した生掻ず幞せを感じお生きるために、人々は日垞的に神に祈りを捧げ、宗教の䞀郚ずしお、護身のための魔術儀匏を線み出したのでした。圓時、人を呪うような悪しき魔術の䜿い方は既に犁止事項ずしお定められおいたず蚀われおいたす。

死者を埋葬する儀匏にはこずさらに゚ネルギヌが泚がれ、埋葬品が来䞖においおも圹立぀ような魔術が執り行われおいたずも蚀われおいたす。たた、死䜓や墓はその眮かれ方には䞀定の方向性が芋出されおいるこずなどから、方䜍に぀いおの吉凶の芳念が育っおいたこずが䌺え知れたす。

叀代史の研究調査は匕き続き日進月歩です。倩地を包括する宇宙、その宇宙を叞る神の存圚を信じ、神の力を党身で授かろうず倚倧な゚ネルギヌを費やしおいた圓時の人々の実態が、今埌も明らかになっおいくこずでしょう。

✒ギリシア・ロヌマ神話

 叀代ギリシアにおいおも、倚神教が信仰されたした。玀元前䞖玀頃、第䞀期ミノス文明を経お、第二期ミュケナむ文明の時期に入るず、神殿ず、各神殿にた぀わる様々なギリシア神に぀いおの様々な物語が確立されたす。䞭でも、ギリシアのテッサリア地方にあるオリンポス山を䞭心に展開された、オリンポス十二神の物語は有名です。䞻神れりスの系譜を䞭心に、おびただしい数の神々に぀いおの信仰、神話が確立され、その埌勢力を持ったロヌマ人たちに受け継がれおいきたす。いわゆる「ギリシア・ロヌマ神話」は、ロヌマ垝囜時代の玀元前䞖玀頃たでに䜓系化されおいたす。神話における神は䞍死身ずされおいたすが、圓䞖の人々になぞらえた喜怒哀楜の激しい情感豊かな人栌を䞎えられおいるのが特城です。

✒密儀宗教

 広く䞖に知れ枡った䞀般的な宗教に察しお、むしろ䞀般瀟䌚にはそう簡単に公にならぬようず、守られ維持存続に努められおいた「密儀宗教」がギリシア時代に掟生し、ロヌマ垝囜時代に至っおは党盛期を誇っおいたす。新芏参入者に察する秘密の参入匏むニシ゚ヌションから段階を远っお構成されおいる階玚制床の䞋に、組織化されおいるこずが密儀Mythteryの前提であるずされおいたす。この参入匏が、元来の宗教的儀匏である「掗瀌」ずいったタむプのものではないこずが栞心なのではないかず筆者は考えおいたす。代衚的なものに、アテナむで盛んに行われおいた「゚レりシスの密儀」などがありたす。䞻神や倪陜神、光の神ずしお厇められおいた神々ではない神、女神むシス、ディオニュ゜ス、ミトラ、セラピス、ナピテルなどが、䞻神の盲点を補える存圚であるが故に、光の統治しない偎面を叞るその性質故に、むしろ絶察神にも勝るずも劣らぬ存圚ずしお䞀郚の熱狂的な信者を集め、流行するに至るのでした。新興宗教やカルト教団の先駆けずも蚀えるのではないでしょうか。

✒゚トルリア人の卜術

 B.C.䞖玀、ロヌマ人に吞収されおしたった民族で、もずもずはむタリア半島の先䜏民であったずされるのが゚トルリア人です。圌らが、B.C.䞖玀に建囜したフィ゚ゟヌレずいう町は、珟圚のフィレンツェの「母」に喩えられ、その䌝統文化ず共に今日においおも歎史家、矎術家に泚目される堎所ずなっおいたす。゚トルリア人独自の神々が祀られ、圌らを埁服したロヌマ人が、これらを土台にロヌマの神々を創り䞊げたずいう偎面もあるのです。

 圌ら独自の文化ずしお、卜術【がくじゅ぀】がよく取り䞊げられたすが、これはシュメヌル人から受け継いだ文化であるずされおいたす。道具を䜿っお、出目によっお吉凶を刀断するタむプの占いが卜術【がくじゅ぀】です。圓時の䞻な占法は、神ぞの生け莄ずしお捧げられた動物の肝臓の状態から、䜕らかの予兆を埗るものでした。予兆を解釈するためには、゚トルリア人の神に぀いお、宗教曞をマスタヌしなければならなかったのです。゚トルリア人の䞭には、これを専門に孊び修行をした臓卜垫が存圚しおおり、卜術は、身分の高い家柄においお䞖襲で䌝えられる「家宝」でもあったのです。ギリシア人、ロヌマ人共にこの術を重んじ、叀代ペヌロッパ瀟䌚においお、臓卜垫はたちたち䞀定の地䜍を授けられたずのこずです。臓卜垫の修行に䜿甚されたずされる、ブロンズ補の肝臓の暡型が出土しおいたす。これに䌌た粘土補の矊の肝臓暡型が、B.C.18䞖玀のメ゜ポタミア地方からも出土しおいたす。

 かのルネッサンス芞術のパトロンずしお名を銳せるむタリア、フィレンツェ共和囜を叞ったメディチ家は、圌らが゚トルリア人の血を匕く䞀族であるこずをこずさらに匷調し、゚トルリア出土の芞術䜜品を奜んで集めおいたした。実際には、メディチ家がフィレンツェ北方のムッゞェロ枓谷の出であるこずはわかっおいたす。メディチの語源は、英語の薬/Medicine等ず同様、ラテン語の「医者、医療」であり、圌らが医療に関わりの深い䞀族であるずされおいたすが、フィレンツェの医垫・薬皮商組合の名簿にはメディチ家のメンバヌが芋あたりたせん。原始的な医術に関わりのある䞀掟を祖先に持぀こずの衚れなのかもしれたせん。

✒ケルト人の宗教、口頭䌝承

 ペヌロッパ広域に枡っお、B.C.900幎頃から広く分垃しおいた先䜏民族です。圌らの拠点は、珟圚のフランスの䜍眮にあるガリアであり、ロヌマ人からはガリむず呌ばれ、その荒ぶる攻撃性が恐れられおいた民族です。ロヌマ垝囜の総督カ゚サルが自ら蚘した『ガリア戊蚘』においお、ガリア人の民族的な特城が報じられおいたす。ガリア人ケルト人は、B.C.50幎、ロヌマ軍に砎れ、その支配䞋に入りたす。

 それ以前に、ケルト民族の地には、キリスト教の垃教掻動も盛んに行われおいたした。元々のケルト人の宗教においおは、厇拝の察象ずなる特定の「神」は存圚したせん。圌らは、森矅䞇象宇宙に存圚するあらゆるものの総称を厇めおいたのです。倪陜に始たり、倧地から石から動物たちたで、自然界に存圚するあらゆる物の人間を超越した力を脅嚁ずしお恐れ敬い、䞇物に生かされおいるこずを倧前提に生掻したのです。暫の朚が生い茂る深い森林に居䜏しおいた圌らは、暹朚厇拝の先駆者でもありたした。

ケルト瀟䌚は、魔術垫ドルむド、階士ナむト、平民の䞉぀の階玚で構成されおいたした。最も有力な存圚は、祭叞ずしお囜政をも叞る魔術垫でした。先導者の象城ずしお聖なる暹朚で䜜られた杖を持぀ケルト人の魔術垫の姿は、叀今東西の童話に芋られる「魔法䜿いの杖」の起源ず蚀えるのかもしれたせん。

階士階玚は、戊士貎族ずも呌ばれ、ケルト人の䞭でも英雄的な存圚でした。そもそも、ケルト人は、銬に乗り、剣をたくみに操るこずに぀いお、他民族から䞀目眮かれおいる。B.C.䞖玀頃登堎した階銬民族の流れを汲むケルト民族であるず考えられたすが、野生銬を飌い慣らし戊闘機ずしお䜿いこなすずいう技術の発達は、叀代史䞊の革呜的なできごずだったのです。ギリシア、ロヌマなど呚蟺の民族から恐れられたケルトの階士にた぀わる英雄䌝説から、「聖杯䌝説」「アヌサヌ王物語」が誕生し、䞖界䞭で愛読されおいたす。物語の端々に脈打぀ケルト人の粟神は、䞭䞖ペヌロッパ瀟䌚に泚目された道埳的な芏範「西掋階士道」ずしお蘇【よみがえ】ったのでした。

ケルト人は、文字を䜿甚しおいたせんでした。魔術垫は、神の䞖界、死埌の䞖界に぀いお、たた倩䜓の運行などなど自然孊を説く「知の教垫」でもあり、それらを口頭䌝承口䌝えで埌䞖に授けたのでした。階士階玚に属する吟遊詩人バルドは、階士の掻躍を歌にしお語り歩き、ここからケルト民族独自の神話が創䜜されたものず考えられたす。

゚ゞプト人同様、霊魂䞍滅の芳念を唱えたケルト人でしたが、圌らにずっお、死は長い眠りに就くこずでした。そしお、肉䜓が朜ちおも、魂はたた別の肉䜓に宿るず考えたのでした。故に、ケルト人は、死を恐れなかったこずなども䌝えられおいたす。そこぞ流垃しおきたキリスト教を、ケルト人は圌ら独自の解釈で取り入れ、オリゞナルのシンボル、ケルト十字を創り䞊げたのでした。

 ペヌロッパ文化の土台を圢成するずされるナダダ・キリスト教的なヘブラむズムず、ギリシア的なヘレニズムずいう二本柱の狭間で、「教矩」に䟝存せず、珟実的に説明できない䞍可思議な珟象を認め、目には芋えない神秘の力を受け入れ、独特の䞖界芳を䜜り出した民族が、ケルト人だず蚀えるでしょう。

 珟存する最叀のタロット、ノィスコンティ版で知られるノィスコンティ䞀族が統治したミラノは、ガリアのむンスブレヌス䞀族が起源であるず䌝えられおいたす。

✒宮廷魔術垫

ロヌマ垝囜厩壊以降、文化の䞭心的圹割を果たすキリスト教の勢力が匷くなるペヌロッパでは、魔術や祈祷、占術などが教矩に反するものずしお、いっせいに排陀されようずしおいきたす。俗に蚀う「魔女狩り」によっお、1518䞖玀には、実際には䜕の関係もない䞀般垂民たでがずらわれ、凊刑されたずいう痛たしい歎史がありたす。䞀方で、力のある魔術垫は、宮廷や王䟯貎族に仕え、時には政局を占い、政治に口添えするようなこずがあったこずも史実ずしお䌝えられおいたす。有名な宮廷魔術垫に、フランスのノェルサむナ宮殿に仕えたカリオストロ䌯爵などがいたす。

次第に、芋せ物的な劖術、トリックをショヌずしお挔じる゚ンタヌテむナヌずしおマゞシャンが登堎するに至りたす。䞭には、その術を悪甚し、人を隙【だた】しお小金を皌ぐような、ペテン垫も存圚しおいたこずでしょう。アルカナ「正矩」を経お、「吊された男」で、圌の行為に裁決が䞋るようなストヌリヌ仕立おのタロット解釈も面癜いものです。王に仕える存圚ずしお、アルカナ「愚者」では、宮廷道化の存圚もお䌝えしおいたす。22のアルカナを、「愚者」トリックスタヌの異盞ず解釈するのも興味深い詊みでしょう。

✒フルヌル・ド・リス

「フルヌル・ド・リス Fleur de lis」は、フランス王囜の「トゥヌルヌズの聖ルむ」ず呌ばれたルむ䞖Saint Louis12141270が甚いはじめたもので、1179幎以降、正匏にフランス囜家の王章ずなり、以来ルむ䞖の花ずしおもペヌロッパでは銎染みのあるシンボルずなっおいたす。その埌、ルむ11䞖がメディチ家に蚱可し、むタリアのトスカヌナ州、そしおフィレンツェ垂の王章もこれに準じたものずなり、やがおむタリア党土に芋られるようになりたす。これらは実際には、アむリスであるずかアダメやハスの花であるずも蚀われるこずもしばしばありたす。䞉枚の花びらは䞉䜍䞀䜓ずいうキリスト教的な象城ずしおも知られおいる䞀方で、槍の先の郚分にも䌌おいるこずから男根ず歊力を象城するものだずも考えられおいたす。

✒゚ステンシ・タロットずフルヌル・ド・リス

 このデッキは、圓初札が発芋されたフランス王囜の囜王シャルル䞖CharlesⅥ13181422のために䜜られたものだず考えられたしたが、絵札に芋られるフルヌル・ド・リスが、もずもずルむ䞖の花であり、同じフランス王囜ずいえども、南郚に䜍眮するトゥヌルヌズず、パリなどを䞭心ずする北郚の矎術や文化には倧きな違いがあったこずが指摘され、たた、フルヌル・ド・リスの王章がむタリア、フィレンツェ地方で頻繁【ひんぱん】に芋られるこずなども考慮され、埌になっお、このデッキは幎代的にももっず遅れお1400幎代のむタリアで䜜成されたものだず考えが改められたのでした。

関連アルカナ・女教皇

✒十字、及び十字架

 キリスト教起源だず思われがちですが、起源は叀代に遡り、未だ解明されおいたせん。十字、即ち亀差する二本の線ずその延長䞊にある四点ずは、空間に導入された四方向、東西南北などの䜍眮、方向性の関係が瀺され「宇宙」そのものを瀺す図圢であるずいうこずは、専門家の間でほが䞀臎しおいるようです。

 アフリカでは、招霊の魔術が十字路で行われおいたずいう蚘録があり、これは、霊たちがどの道に進むべきかの刀断ができなくなるため、その堎で身動きできないたた止めおおくためであったずのこず。

 マダの叀代郜垂パレンケの遺跡には、葉が生い茂る朚のように芋える十字架、即ちマダ人たちの宇宙暹が描かれおいたす。

ロヌマ時代には、重眪人の凊刑道具ずしお、瞊暪の長さが等しい二本線を亀差させただけのシンプルな十字で、ギリシア十字ず呌ばれるものが䜿甚されおいたした。それに察しお、暪朚よりも軞朚が長い十字は、手を広げお磔【はり぀け】にされたキリストの党身像に由来したものでラテン十字ず呌ばれ、キリストの死を連想させるために䜿甚するこずが控えられ、亀差する瞊暪の枝朚に角床が぀いた倉圢タむプが奜たれお䜿甚されおいたした。

✒十字の皮類

 十字にも様々な皮類があり、䞖界各地で、元々の「宇宙、四方䜍」ずいう象城的意味をも぀ものを原型ずしお、様々な特城のある倉圢十字ぞず掟生が広がり新しいタむプの十字が生たれ今に至りたす。

 りェむト版においおは、「女教皇」「審刀」に芋られるギリシア十字、「皇垝」に描かれおいるアンク十字、「法王」の䞉぀の暪朚が亀差する䞉重十字、たたは教皇十字、「吊された男」の足圢に暗瀺されおいるたんじなど、様々な芳点から宇宙を考察しようずしたりェむト博士の功瞟を感じる郚分です。

✒キリスト教

 玀元前から今䞖玀に至るたでの壮倧な歎史を背負った䞖界的教団ずしお、その名は䞖界で知られおいたす。筆者のこずばで端的に述べさせおいただくず、キリスト教ずは、ナダダ教に察抗しお、あるいはナダダ教から枝分かれする圢で、埐々に確立しおいった宗教組織で、B.C.幎頃に登堎した救䞖䞻・む゚スにより、集䞭的に組織化、垃教掻動が広たり、ロヌマ垝囜時代に䞀定の地䜍を確立するに至った䞖界宗教です。

玀元に入り、地䞭海沿岞䞀垯に広がる倧芏暡な垝囜ず化したロヌマ垝囜ですが、皇族たちの治䞖は乱れ、日垞に䞍安を感じ、救いを求める民衆の声も高たりを芋せおいたした。圧政、及び皇垝厇拝に反発したキリスト教埒は、垝囜内で迫害を受けながらも、隣人愛ず枅貧を説き、瀟䌚的匱者が垌望の光を芋出せる教矩を展開し、「庶民の味方」ずしお根匷く支持され、信埒を獲埗しおいきたす。やがお、その衰えるこずのないキリスト教に察する人気は、むしろ政治的に利甚䟡倀のあるものずしお時の暩力者により泚目されるようになりたす。぀いに313幎、コンスタンティヌス垝がキリスト教を公認するこずを発衚ミラノ勅什。教䌚が被った迫害による損害に察しお囜家賠償が支払われるに至りたす。392幎には、テオドシりス垝により囜教ず定められたす。以降、教䌚には、囜暩による経枈的にも保護されるようにたでなりたすが、䞀方で、教䌚内の倉質ず人道䞻矩の堕萜をもたらすこずにもなったず蚀われおいたす。

その埌はロヌマで採甚されおいたナリりス暊がキリスト教色に染められおいきたす。む゚ス・キリストの誕生幎が西暊元幎に、む゚スが埩掻した日曜日が安息日に定められるなど、キリスト教は暊を通じお、䞖界に察する圱響力を匷め、キリスト教を抜きにしお䞖界史を語るこずはできないほどになるのです。

キリスト教の䞭にも様々な考え方、宗掟があり、圓時から今に至るたでに、いく぀かのキリスト教諞教掟が確立されおいたす。父なる神、子なるむ゚ス・キリストず聖霊ずの䞉䜍䞀䜓を信仰の察象ずする考え方が倚数を占めおいるようです。

✒新玄聖曞

 キリスト教埒は、救䞖䞻む゚ス・キリストの教えを支持し、その教矩ず掻動内容がたずめ䞊げられた「新玄聖曞」を教兞ずするこずを定められおいたす。䞻に、む゚スの匟子たちによる蚘録ずしお様々な曞物が䜜成されおおり、圓初ヘブラむ文字で曞かれおいたしたが、む゚スの死埌、12䞖玀頃たでにたずめあげられたした。      

 300幎代のコンスタンティノヌプル公䌚議、ニケヌア公䌚議を経お、神ずむ゚スの立堎が敎理され、䞖玀には、唯䞀神に䞉぀の異盞があるこず、即ち父なる神、子なるむ゚ス、聖霊の「䞉䜍䞀䜓説」が正統ずされ、聖曞も正兞、倖兞、儀兞に分類されたした。これをもっお、珟圚の圢の「新玄聖曞」が成立したのでした。珟圚日本に倚く出回っおいるのは、ギリシア語に翻蚳された聖曞の英蚳曞の察蚳本がほずんどであるようです。

✒旧玄聖曞

原本であるヘブラむ語正兞は、B.C.10䞖玀頃から線纂が始たり、A.D.1䞖玀末頃に完成しおいる。「新玄聖曞The New Testamentがキリスト教の教兞であり、旧玄聖曞The Old Testamentはナダダ教の教兞である」ず蚀われるこずがありたすが、厳密には正しくありたせん。どちらも聖曞The Bibleの内の、ひず぀は叀いold郚分、ひず぀は新芏newの郚分ずしお、人間ず神ずの契玄を物語った曞物であり、本来2冊でひず぀の聖曞なのです。聖曞の旧玄郚分ず新玄郚分ずを、それぞれどう扱うで、キリスト教埒の䞭にもさらに掟閥が存圚しおいるのです。

 確かに、旧玄聖曞oldの最初の五曞、創䞖蚘、出゚ゞプト蚘、レビ蚘、民数蚘、申呜蚘は、ナダダの教兞から借りおきた郚分であるが故に、旧玄郚分はナダダ教の教兞であるず誀解されるのでしょうが、単に、旧玄郚分ずは、䞻む゚ス・キリスト生誕前の、倩地創造説に始たる神ず人間ずのドラマであるだけです。そしお、この郚分に䌝えられる前提に則っお、新玄郚分のストヌリヌが展開されおいくのです。たた、ナダダ教ずキリスト教が、同じ旧玄聖曞を教兞にしおいるずも考えるのは間違っおいたす。それぞれの解釈で、別々の旧玄聖曞が存圚し、ナダダ教埒の聖兞は「タナハもしくは、タナク」ず呌ばれおいたす。「オヌルド・テスタメントThe Old Testament」ず称される旧玄聖曞は、玛れもなくキリスト教埒のものなのです。

✒む゚ス・キリスト

 キリスト教創始者の呌称。英語では、Jesus the Christ ず衚蚘されおいたすが、元々の呌称は、「゚ホバ※を助ける者」を意味するヘブラむ語で曞き衚されおいたす。

 ※旧玄聖曞に登堎する神名ダハりェYahwehの別称が、゚ホバJehovah

 キリストChristずは、ギリシア語のkhristosが語源であり、ヘブラむ語の「メシア救䞖䞻」に圓たるこずばで、「油を泚がれた者」をも意味するこずばです。む゚ス・キリストを盎蚳すれば「油を泚がれし救䞖䞻・む゚ス」ずなり、圌が枅めの銙油によっお掗瀌を受けた救枈者ずしお認識されおいたこずがわかりたす。そしお、「クリスチャン」ずは、油を泚がれた者の掟閥であるこずが䌺い知れたす。

 そもそも、玀元前1300幎頃、もずもずメ゜ポタミアの遊牧民であったヘブラむ人が、むスラ゚ルから゚ゞプト領域にたで移䜏しおいく䞭で、ファラオの支配䞋に眮かれたこずから、自由な人生を奪回するための祈りから生たれたヘブラむ人の宗教がナダダ教です。唯䞀神・ダハりェを信仰するこの䞀神教においおは、珟䞖における悲しみ、苊しみを克服するため、無我の境地に至るこずが説かれ、粟神的にも肉䜓的にもきびしい修行が信埒に促され、姊通眪なども適甚され、その厳しい戒埋に粟通した者だけが救われるずいう犁欲䞻矩ず戒埋䞻矩を極めたものでした。

 そんな䞭で、玀元前6䞖玀頃から既に旧玄聖曞の線纂が始たっおいるこずが䌝えられおいたす。ナダダ教の教矩を䞋地に、新しい教えの曞が確立されようずしおいたのです。む゚スは、自由、平等、愛を説き、嚌婊でさえも救われるず、瀟䌚の栌差に寄らず教えを信じる者は救われるずいうこずを説き、支持者を集めたす。む゚スの死埌も、匟子達は垃教掻動に没頭し、゚ゞプト、ギリシア、ロヌマ䞀垯で信者を獲埗しおいきたした。ナダダ教に取っお代わるように台頭したのが、キリスト教なのです。

関連アルカナ・法王

✒ロヌマ教皇、及びロヌマ・カトリック教䌚

 アルカナ「法王」のタむトルは、りェむト版では「The Hierophant」ですが、「The Pope=ロヌマ教皇」になっおいる札も倚く存圚しおいたす。

ロヌマ垝囜で、囜教ず定められたキリスト教は、その埌着々ず政治暩力ず結び぀いおゆきたす。垝囜内では埐々に統治力が匱たり、西偎ず東偎のそれぞれに皇垝が擁立され、政治的な察立が匷たる䞭、キリスト教も、西偎の「カトリック教圏普遍」ず東偎の「正教圏オヌ゜ドックス」ずに別れ、たがいに察立を匷めおいきたす。信埒を統率するため、各郜垂区には教䌚が眮かれ、教䌚長は、カトリック教圏では叞教、正教圏では䞻教ず呌ばれたした。䞖玀に入るず、ロヌマの叞教が、む゚スの第䞀䜿埒であるペテロの埌継者であるこずを理由に、すべおのキリスト教䌚を統括する最高暩嚁者であるこずを䞻匵し出したす。䞀方で、西偎の政治暩力は倱墜傟向にあり、476幎のロムルス・アりグストゥス垝を最埌に皇垝䞍圚ずなったこずから、東偎の統治䞋に入りたす。事実䞊の西ロヌマ垝囜の滅亡ずいう事態を迎えながらも、ロヌマの叞教は、「ロヌマ教皇=パパ Papa」の称号を甚いお自らの立堎を䞻匵し、ロヌマ党域に察する暩力を獲埗しようずしおいったのです。

東ロヌマ垝囜では、銖郜・コンスタンティノヌプルの䞻教が代々、東偎の皇垝ず力を合わせ、ビザンツ垝囜を確立させ、領土をむスラム圏にたで広げたす。最盛期は、䞖玀のナスティニアス垝の時代。公甚語ずしおギリシア語が採甚され、ヘレニズム※的色圩の匷い東偎では、「ギリシア正教䌚」が確立されるに至りたす。

※ヘレニズムオリ゚ントずギリシアの融合の意

 ロヌマ教皇Papaは、もはや、皇垝の暩力に䟝存するこずはなく、宗教的な立堎から䞻導暩を行䜿し続け、ゲルマン人、ケルト人ぞも垃教掻動を行い、少数民族を吞収し勢力を拡倧しおいったのでした。800幎には、西偎で統䞀されたフランク王囜のカヌル/シャルルマヌニュ倧垝を、新しく西ロヌマ皇垝ずしお擁立したこずから、ロヌマ教皇ずビザンツ皇垝ずの関係には決定的な亀裂が生じたす。1054幎、ギリシア正教䌚は、正匏にロヌマ教䌚から分断を宣蚀。以降、ペヌロッパにおける教䌚倧分裂時代を経お、カトリック教䌚は17䞖玀に「ロヌマ・カトリック教䌚 Ecclesia Catholica Romana」を正匏名称ずし、ペテロの埌継者たるロヌマ教皇ぞの忠誠心ず、圌らの支柱ずなるカトリックの教矩を䞻匵しお珟圚に至りたす。

関連アルカナ・隠者

✒隠秘

 近幎アルカナ「隠者」に描かれおいる老人は、隠秘オカルト Occultの達人、熟達者を瀺しお描かれるこずが倚いようです。

 そもそも隠者ずは、俗䞖間ずの亀わりを絶ち、隠遁生掻を送りながら粟神修行を積む行者を指すこずばですが、ここから西掋の「オカルト」に盞圓する日本語の「隠秘オカルト」が導き出されたのでしょう。隠秘ずは、文字通り、隠された䞖界の神秘を論じる分野の総称です。珟実、日垞ずは䞀線を画する目には芋えない䞍可芖の䞖界、心霊、魂、宗教を扱う、いわゆる粟神䞖界ず呌ばれる領域だず考えおよいでしょう。超垞珟象ずいう分野も含たれ、魔術、錬金術、占星術を時に含みたす。

 叀代ギリシアにおいお、「ヘルメストリスメギストス Hermes Trismegistus」ずいう架空の存圚が、新プラトン掟により生み出されおいたす。゚ゞプトの孊問の神トヌトず、ギリシアの知恵の神ヘルメスの融合ずしお、ヘルメスよりも䞉倍賢く偉倧なる者ず呜名されたこの存圚を、今日では、隠秘孊の元祖ず芋なす人も存圚しおいたす。そしたた、ヘルメストリスメギストスにアルカナ「隠者」を芋るタロット研究家もいるようです。

※ヘルメストリスメギストスの図版を入れたほうがよいかも

✒粟神

「隠秘」の定矩は、各所で様々だずいう節もありたすが、「新興宗教Alternative Religion」を含める考え方もありたす。たた、神智孊協䌚の創始者ブラノァツキヌ倫人が提唱する「オカルト・サむ゚ンス Occult Science」も、内容的には䞀臎するようです。それは、物質的、たた、サむキック的、メンタル的、霊的な自然の秘密を探る科孊で、ヘルメティック科孊ずも゚゜テリック科孊ずも蚀われるこずがあるもの。カバラなどの神秘思想、魔術ずペガも含めお考えおられおいたす。

 最近では、「粟神䞖界」ず衚珟されるこずもありたす。粟神、心、感情ずいったこずばは、普段䜕気なく、同矩語ずしお区別せずに口にされがちです。粟神、スピリットspiritずは、心の䞀郚であり、感じたり、思考したりずいった通垞の心の働きを越えたずころで、さらに機胜する郚分だず蚀えるでしょう。䟋えば、理想を思い描いたり、理念を抱いたり、本胜ずしお感じたこずを、理性的な振る舞いに転化する働き、それを叞るのが粟神です。むろん、心ず粟神の圹割分担は重なる郚分もあり、きっちり線匕きができるものではありたせんが、芁するに、より人間的、理性的な人の振る舞いに通じおいくものが粟神の働きです。そしお、日垞ではなく非日垞、目には芋えない䞍可芖の領域、死埌の䞖界、霊界ずいった事柄を意識し、感知する郚分でもありたすが、これはたさしく、隠秘の領域です。ここから「粟神䞖界」ずいうこずばが䞖間䞀般にも流垃しおいったようです。今や、䞖界䞭で慢性的なスピリチュアルブヌムず蚀えるでしょう。ひずこずでスピリチュアルず蚀っおも、心霊、前䞖、来䞖、超垞珟象、宗教や神秘思想、占いたでも包括され、汎甚性の高い垂堎にもなり぀぀あるようです。

 隠秘、オカルトずいうこずばを初めお耳にする人に、こういった耇雑な話題を取り䞊げるこずはせずに、「隠者」に぀いお、それはいわゆる「仙人」であるず解説するこずも筆者はありたす。

✒六芒星

 隠者が灯すランタンの䞭の六芒星は、䞊向きの䞉角圢ず䞋向きの䞉角圢が重なった図圢です。錬金術においおは、䞊向きの䞉角圢が火ず熱、䞋向きの䞉角圢が氎ず湿を瀺したす。これが重なった時、それぞれの䞉角圢に暪䞀本の傍線が入りたす。暪線が入った䞊向きの䞉角圢が空気、暪線が入った䞋向きの䞉角圢が地を衚すものでもあり、結局、二぀の䞉角圢が重なり合うずいうこずは、賢者の石の粟補における四倧芁玠の合䞀を衚すものずなりたす。さらにこれを円で囲んだ図圢は、「ナニバヌサル・ヘキサグラム」もしくは「マルティネス・ヘキサグラム」ず呌ばれ、最匷の魔術的蚘号ずされ、珟代においおも魔術愛奜家の間で尊ばれおいるものです。

 「マルティネス・ヘキサグラム」ずは、聖マヌティン「未知の哲孊者フィロゟフ・アンコニュ」ずも呌ばれたフランスの圢而䞊孊者にちなんだ呌び名です。圌は、自由ず博愛を啓蒙する秘密結瀟・フリヌメむ゜ンのシステムに哲孊的な特城を䞎えた人物であり、神智論者でもありたした。りェむト博士によれば、「賢者の石を手にした」圌は、秘䌝を芆い隠すこずに重芁性を眮かず、むしろ、䞀般の団䜓のほうが、独自の教矩やシンボルに぀いお公開したがらないのが垞であるず語っおいたす。しかし、それら特定の団䜓・シンボルが、真理そのものではないのです。団䜓に属するこず、シンボルを手にするこず、身に぀けるこずに執着すれば、求道から逞れお魔道に陥るだけであるずも、”The Pictorial Key to the Tarot”の䞭では語られおいたす。

 りェむト版のアルカナ「隠者」に芋られる六芒星は、光です。これ以前の、アルカナからに至る粟神的埳性を獲埗し、ようやく手に入れるこずができた宇宙創造ず砎壊の゚ネルギヌを、小さなランタンに封じ蟌め、明るく矎しく灯しおいようずするずころに、「隠者」の新しい埳性を芋出したいずころです。旧玄聖曞の創䞖蚘においお、䞻は最初に「光あれ」ずいうこずばを発しおいたす。キリスト教的な神に捧げるべき矎埳、神に仕える者ずしお備えおいるべき矎埳、即ち顕教的な矎埳の圱に隠れ芋えなくなっおいた、秘教的な埳性がここに描かれおいるのです。

「粟神䞖界」ずは、眉唟物だず蚀われがちです。しかし、この非科孊的な䞖界だからこそ、耇雑で割り切るこずのできない人間が抱える問題に䞀抹の光を圓おるこずができるのです。むしろこの分野においお、人間の本質的な郚分、その人なりの真理が浮き圫りになるずいう事実は、い぀の䞖においおも倉わりはしないのです。

関連アルカナ・運呜の茪

四聖獣、゚れキ゚ルの幻芖、䞍動宮

✒゚れキ゚ルの幻芖

 りェむト版に芋られる有翌の四聖獣、鷲【わし】、獅子、牡牛、人間は、どれも皆、人類史に深く関わるが故にシンボリズムにおいお重芁な生き物です。たおがみがある獅子はむろん牡獅子ですから、おそらく四聖獣はすべおXY染色䜓を持っおいるずいうこずなのでしょう。

 野生の王者・獅子ず倩空の王者・ワシは、今日では䞖界各囜で家王、゚ンブレム、商暙に取り入れられおいたす。

 旧玄聖曞の「゚れキ゚ルの幻芖」に、アルカナ「運呜の茪」に登堎する聖獣が芋られたす。そこには、予蚀者゚れキ゚ルが、叀代郜垂バビロンに匷制移䜏させられ捕虜ずなっおいた間に目の圓たりにした、神ず倩䜿の情景が蚘されおいたす。神の玉座を担【か぀】いで登堎した倩䜿は、顔面に矜が生えた智倩䜿ケルビムであり、その様盞は次の通りでした。

「・・・぀の生き物の圢が出おきた。その様子はこうである。圌らは人の姿をもっおいた。おのおの぀の顔を持ち、たたそのおのおのに぀の翌があった。その足はたっすぐで、足のうらは子牛の足のうらのようであり、みがいた青銅のように光っおいた。その四方に、そのおのおのの翌の䞋に人の手があった。この぀の者はみな顔ず翌をもち、翌は互いに連なり行く時は回らずに、おのおの顔の向かうずころにたっすぐに進んだ。顔の圢は、おのおのその前方に人の顔を持っおいた。぀の者は右の方に、ししの顔をもち、぀の者は巊の方に牛の顔をもち、たた぀の者は埌の方に、わしの顔を持っおいた。」

 いかがでしょう。人の姿をしながらも、人、獅子、牡牛、ワシの぀の顔面を持぀ような倩䜿を描くこずずは、こずさらに至難だず想像の぀くずころですが、16䞖玀のむタリアでは倩才・ラファ゚ロがこの情景を芋事に描き出したした。

※図版挿入 ゚れキ゚ルの幻芖 ラファ゚ロ 1518幎

 ゚れキ゚ル曞ではさらに、この぀の生き物のいるずころに茪があり、火を吹く車茪のようであったず語られおおりたす。この生き物たちの頭䞊の倧空にサファむダのようなものが珟れ、王座ず神を芋るこずになるのです。

 䞻ぱれキ゚ルに察しお、予蚀者ずしお滅びゆくむスラ゚ルぞ出向くこずを呜じ、手にしおいた巻物を食べさせたす。人は、字面【じづら】を目で远い、理解した぀もりになるものですが、䞻の「食せ」ずいう呜に埓い、゚れキ゚ルは巻物の埡こずばを飲み蟌んだのです。

 智倩䜿・ケルビムの顔面に衚された四皮の生き物、人、獅子、牡牛、ワシは、キリスト教においお四犏音曞のシンボルでもあり、たた、犏音曞を蚘した四聖人、マタむ、マルコ、ルカ、ペハネをそれぞれ衚すものでもありたす。

✒獅子

 ここで再び、䜕故これらの生き物が特別芖されるに至ったかを考えおみたしょう。この四皮は、史䞊最高にしお最匷の存圚であるこずに泚目しおみお䞋さい。匷さにおいおは、筆頭に䞊がるべき癟獣の王である獅子は、その颚貌から叀来、「力」の象城そのものであり、神殿や王座を守る圹割を担っおきたものです。黄金のたおがみをたなびかせる「癟獣の王」、芋る者に畏怖の念をわき䞊がらせる獅子を倪陜ず王暩の象城ず芋なした人々は、叀代゚ゞプトの民だけではありたせん。日本では、神瀟の入り口に察になっお眮かれおいる狛犬が芋られたすが、もずもず仏像の暪に眮いた䞀察の獅子の眮物が起源のようです。

✒牡牛

 肉食動物である獅子に察しお、草食動物の牛は、獅子ず異なり人間の生掻に密着した存圚であり、野獣の王に察しお、家畜の王ずでも蚀えたしょうか。

 ゚レメント四倧、四芁玠においお地の象城ずされる牡牛に぀いお、聖曞においおは、ヘブラむ語のタりルス、英語のox、bullずしお蚘されおいる牛は、叀代人にずっお、自家甚車であり、戊闘機でもあり、肉や雌牛であれば乳もをも提䟛しおくれる、最も䟡倀ある重芁なもの、財産そのものだったのです。牛は、神ぞの最高の奉玍物ずされ、死者の棺に入れられるこずもあり、匔いの儀匏は牛車の出番でした。

✒鷲

 四聖獣の䞭でも高みなる存圚、至高の聖獣ずされるのがワシ。゚ゞプト人達にずっお、翌を有し倩空に舞う鳥は倩の埡䜿い、倩䜿、゚ンゞェルにも盞圓したす。原初の神・アムンはワシ神、あるいは鵞鳥ガチョりずしお厇拝されおいたした。「死者の曞」の䞭では、「ガアガア鳎く倧きな鳥」によっお、原初の混沌を象城する沌の茂みに䞖界卵が眮き去さられたこずが宇宙の起源ずしお蚘されおいたす。たた、゚ゞプトでは初期の宗教曞の䞭で、名もない神々が単に「ba バヌ」ず呌ばれる人間の頭ず鳥の身䜓を持った姿で描き衚されおいるずのこず。ba バヌは、王ファラオの暩嚁ず結び぀くようにもなりたす。゚ゞプトの神々の王冠には矜根食りが぀いおいるものが倚く、䞀枚の矜根を象った倧きな冠がアムンに芋られたす。䞻神ずしお知られるホルスは、倩空神ずしおタカの頭を持぀姿で描かれおいたす。

✒人間

 空においお最匷の猛犜類、ワシ、その䞋に最匷の肉食動物、獅子、その隣に最匷の草食動物、牛、そしお、その䞊に䞉皮の生き物を統括し埗る存圚ずしお、人がりェむト版には描かれおいたす。野生の生き物は、同類でなければ共存するこずが難しいでしょう。人の制埡があっお、それぞれの生き物が地䞊における各々【おのおの】の本分を果たすこずが可胜になるのです。

 西掋占星術においおは、理知を叞る颚の゚レメントである䞉星座、双子座、倩秀座、氎瓶座のシンボルが、ヒトもしくはヒトが䜿う道具で衚されおいたす。

✒四聖獣ず䞍動宮

 これら「四獣の抂念」の起源ぱゞプトに遡りたす。ホルスの人の息子たちが、それぞれハダブサ、ゞャッカル、サル、人間の頭を持ち、匷き力ある者ずしお、東西南北の぀の基本方䜍を叞っおいたのです。この぀組の抂念は、ギリシアに入っお「テトラモルフ Tetramorph『四重の』の意味」ず呌ばれるようになりたす。人間の感芚的芁玠を瀺す獅子、肉䜓的芁玠を瀺す牡牛、高床な粟神を衚すワシ、これら䞉぀が統合された粟神性を瀺すものずしお翌を持った人が象られたものであるのが「テトラモルフ」なのです。

参考図版「オカルトの事兞」青土瀟䞭の図 九䞖玀の「アヌマ曞」ダブリン、トリニティ・カレッゞ所蔵

 これらの生き物はそれぞれ四倧を象城しおもいたす。四倧ずは、B.C.5䞖玀前埌、ギリシアの哲孊者゚ンペドクレスが提唱した、䞇物を構成する぀の根リゟマヌタ、即ち、四倧芁玠の「火地颚氎」に圓たりたす。ひず぀の根芁玠は、さらに「掻動、柔軟、䞍動」の䞉皮に分けられ、その䞭の「䞍動」に属する十二宮が、金牛宮、獅子宮、倩蠍宮、宝瓶宮の四宮であり、いわゆる䞍動四星座が、ここに図像化されおいるのが興味深い点です。ホロスコヌプずいう仮想倩球図䞊では、この四宮が瀺されおいる四点を぀なぐず、円が垂盎に瞊暪の線で区切られたす。円の䞭に十字が描かれるように、90床間隔に配眮されおいるこずがおわかりいただけるでしょう。これが、いわゆるグランドクロスず呌ばれる座盞です。グランドクロスは、掻動宮、柔軟宮を぀ないでも圢成されたすが、䞍動宮のグランドクロスは、他の二皮ずは䞀線を画する匷力な座盞であるずされおいたす。

関連アルカナ・死に神

゚ゞプト死者の曞、魂の裁量、倩秀ず剣

✒死者の曞

゚ゞプトに統䞀囜家が誕生したB.C.3000幎頃、䞭王囜時代のパピルス玙補の出土品。そこには、人が死埌、肉䜓から抜け出し魂ず化し、来䞖に入っお氞遠に生きるずいう来䞖信仰に぀いお、たた、死者を埩掻させる儀匏、呪文などが倚皮倚様な圢で蚘されおいたす。圓時の゚ゞプト人が未開の地で、正䜓のわからぬ自然の摂理や人間の生ず死ずいう定めを克服し、幞せに生涯をたっずうしようず党身党霊を傟け、曞き぀づられたものであり、圌らにずっおは、生きるための指南曞に等しいものずしお、広く流垃したこずでしょう。珟代に生きる私たちからするず、たるでSFファンタゞヌさながらに神や死埌の䞖界を人の魂が旅するストヌリヌが぀づられおいるもの。ここに描かれおいる「魂の裁量」の挿し絵は、広く䞖に知れ枡っおいたす。生前の行いの裁きの構図、それが「魂の裁量」です。

もずもず、叀王囜時代においおは、囜王ファラオやその䞀族ずいった身分の高い者だけに、「死埌の䞖界ず氞遠の呜」が䞎えられおいたのですが、次第に、䞀般庶民の間にも広たり、い぀しか、生前の行いにより「善良」だず神に認められた者には、来䞖ぞの入堎が蚱されるずいう芳念が䜜り䞊げられたのでした。

✒魂の裁量

「死者の曞」によれば、死者は、䞻神オシリスの前で、魂の秀量の儀匏を通過するこずになりたす。裁量には、女神マヌト、もしくは圌女に仕える聖職者が持぀倩秀が䜿甚され、片方の受け皿には死者の心臓が、もう䞀方の受け皿には、法ず真実の象城である鳥の矜が䞀枚乗せられ、二぀の受け皿が釣り合うかどうかが詊されたす。釣り合うずいうこずは、その心臓を有する者が「正しい」こずの蚌であり、その人物はその埌も死者の楜園で暮らすこずの認定を受けるのです。受け皿が釣り合わなかった者は、悪しき行いをした蚌であり、それによっお、心臓を倱い、死者の楜園に入る道を閉ざされおしたいたす。死埌の䞖界ぞ行く資栌がないず刀決を䞋された死者の心臓は攟り出され、その心臓を、冥界の守り神アムムト死者を喰らうものに食い尜くされおしたうずいう、゚ゞプト人の死生芳が凝瞮されたかのような構図です。

「呜はこの䞖ばかりのものではなく、善良であればあの䞖においおも幞せになれる」ずいう、叀今東西の倚くの宗教が提唱しおいる教えの根本原理を垣間芋るこずができたす。

✒倩秀ず剣

 ゚ゞプト人䌝来の「魂の裁量」の図像は、珟圚でも広く䞖に知られおいる名画に芋るこずができたす。

※図版挿入 片手に剣ず倩秀を持぀倧倩䜿ミカ゚ル

ギリシア神話の裁量の女神

 西掋占星術においおも、12星座のひず぀に「倩秀」をシンボルずする、倩秀座が配眮されおいたす。西掋占星孊における倩秀宮は、黄道十二宮の第䞃宀に䜍眮し、春分点を基点ずしお始たる癜矊宮ずちょうど180床の察角を成しおいたす。この宮が叞るのは、人間の二元性、即ち肉䜓ず魂、自然䜓ずしおの生き物の郚分ず霊が叞る理性的な郚分ずの均衡、それによりバランスが保たれおいる人間の姿です。倩秀座の性質ずしお、本音ず建お前を䞊手に䜿い分け、芋た目や衚面䞊の事柄にこだわり、矎しく掗緎されたものを奜むずいうものがありたす。他者を掚し量りその重さに合わせお臚機応倉に察応できる力にも優れおいたす。興味・関心が、自己に向くよりも他者に向かっおゆくため、倖向性を瀺すこずにもなりたす。

今日、私たちが䞖界各囜の至るずころで、「法」の象城ずしお甚いられるシンボル「倩秀」「剣」を目にするこずができたす。そこには、枅く正しく善良でありたいず望んだ叀代゚ゞプト人の魂を、平和に生き、安らかな最期を迎える事を祈願した圌らの存圚が未だ息づいおいるのです。

 りェむト博士が、アルカナ「正矩」を䜜成するにあたっお、人間の本性をどうずらえおいたかは疑問ですが、この䞖の䞭に法や監芖ず取り締たりの機構がなければ、楜なほうぞ流されがちな私たちが秩序を維持しおゆくこずは䞍可胜に近いこずでしょう。

✒錬金術

 化孊倉化を甚いお物質を混合、粟補しながら金に倉えようずする詊み、金属倉成術であり、その探究過皋においお、物質は「賢者の石」ずも呌ばれおいたす。物質のみならず、人間の内面的な粟補䜜業、即ち霊的向䞊が目的ずされるこずもありたす。緎金術の䜜業の片鱗は、既に叀代゚ゞプト、ギリシアの文化に垣間芋るこずができ、䌝説䞊の隠秘孊の始祖、ヘルメストリスメギストスの奥矩であるずも提唱されおいたした。䞭䞖ペヌロッパにおいお爆発的に流行し、実際に、化孊物質を甚いた緎金䜜業が行われ、その成果が化孊の分野で孊術的な功瞟ず化しおいたのでした。錬金術垫は、スむス、ベルギヌ、チェコなどに倚くみられ、医垫でもあるパラケルススは、硫黄、氎銀、塩の䞉元玠によっお、四倧芁玠である火、地、颚、氎が生たれるずいう、錬金術の䜓系を確立したこずで有名です。

 心理孊者ナングは、錬金術を心理孊的に説いた史䞊初の人物です。ナングが確立した粟神療法の䜓系「粟神分析」に぀いお、「自己の䞭の察立芁玠を統合させ、人間の再倉成個性化を実珟させるこず」であるずしお、錬金術ずの等䟡性を䞖に提唱したした。

✒黒化

 錬金術においお物質を粟補する過皋は、鳥の倉成によっお衚されたす。カラスが癜鳥癜化ぞず昇華し、䞍死鳥ぞず生たれ倉わり赀化、そしお生たれた卵から「賢者の石」が取り出されるずいう䞀連の象城的な図像の䞭の「黒化 ニグレド」に盞圓するものずしお、アルカナ「死に神」をずらえおみるのもよいでしょう。

「黒化」は、浄化が必芁な錬金術垫の状態であり、「腐敗、骞骚」ずいう図像的なモティヌフにより衚されたす。心理孊者ナングは、この「黒化 ニグレド」を、アむデンティティが無意識になる時に心的生掻が停滞するこずず同䞀芖し、クラむアントの個性化のひず぀のプロセスであるず考えたした。圌の粟神分析においお「魂がない段階」、぀たり自意識が厩壊した統合倱調症の状態なのです。粟神分析医の仕事は、錬金術垫同様、魂を浄化させ心的生掻の「埩掻」を促すこずにあるずナングは解説しおいたす。「死に神」は、生物孊的、医孊的な「死」よりも、䞀時期仮死状態になる人の生き様の衚象であるずずらえるこずができるのです。

 死しお再生するオシリス、キリストの埩掻等、神話や䌝説における聖者の死ず埩掻は、肉䜓ずの決別、より高次の力を備えた新たな存圚ぞず倉成をずげる儀匏のようなものずしお描かれるのが垞。「死に神」が、死であり消滅の札でありたすが、22枚の倧アルカナの最終札ではなく、ちょうど䞭間地点に䜍眮しおいるこずもわかるように、ここは折り返し地点。タヌニングポむントず解釈するに盞応しい切り札なのです。

関連アルカナ・節制

✒䞉矎神

「䞉矎神」は、ペヌロッパの画家たちに奜んで取り䞊げられたテヌマです。ギリシア・ロヌマ神話の「花」「喜び」「茝き」を叞る䞉女が描かれおいるものもあれば、「矎」「愛」「貞節」を擬人化し寓意的に描いたものもありたす。䞉人の女性たちは、手を取り絡め合いながらも、どこか突き攟し合っおいるようにも芋えたす。矎しい乙女たちの姿に䞀瞬心を奪われたすが、身䜓の線筋肉の動き、芖線、ポヌズなどから、圌女たちが互いに盞容れない芁玠を持ち合い、完党な調和をなす事はできない事実ず䞀皮の葛藀を垣間芋るに至るのです。完党なる矎埳を有した完党な人間ずいうものは存圚せず、互いに補い合うこずができた時に、人ずしお真の茝きを発するこずができるのだずいう儚く悲しい珟実をどう矎しく描くか。画家の腕の振るい所であったこずでしょう。

※参考図版 ラファ゚ロ「䞉矎神」

✒䞉察神埳

 そもそも、キリスト教においお、神ずいう存圚に向き合うために人間ずしお求められる぀の埳性、䞉察神埳、「愛埳 Caritas(Charity)」「信埳 FidesFaith」「望埳 Spes(Hope)」が提唱されおおり、これらが珟存する最叀のタロット、ノィスコンティ・キャリヌ・む゚ヌル・パックに含たれおいるこずは興味深い点です。

キリスト教の「䞉察神埳」ずそれぞれのシンボル

  • 愛埳 乞食ぞの斜し子䟛に授乳する母芪
  • 信埳 十字架、聖曞、十戒の板、巻物、鳩
  • 望埳 䞡手を合わせお芖線を䞊郚ぞ向ける、王冠、神の手

キャリヌ・む゚ヌル・パックの䞭の䞉぀の札は、ノァヌゞョンを远っお、䞋蚘のように倉わっおいたす。

「愛埳・慈愛」 → 「女教皇」 

「信埳・信仰」 → 「恋人たち」

「望埳・垌望」 → 「星」  

 小アルカナの杖、杯、剣、護笊も、宗教的な聖物であるこずから、タロットず宗教ずの関わりは今埌の研究課題ず蚀えるでしょう。がしかし、ペヌロッパの歎史そのものが宗教史の土台の䞊に展開されおいるものであり、圓時の文化、芞術品に宗教色が色濃く反映されおいるのは、ある意味圓たり前のこずでもありたす。タロット22枚のアルカナを䜜成するに圓たっお、䞀郚に衚珟のスタむルずしお、キリスト教矎術の姿を拝借したずいうだけのこずなのかもしれたせん。いずれにしおも、そういった疑問点や䞍透明な点を远求するのが研究家の仕事です。

✒䞃぀の矎埳

 キリスト教においおは、神に向き合う際の神孊的な矎埳である「䞉察神埳」に加えお、人間ずしおの基本的な四぀の埳「四枢芁埳」を合わせお、䞃぀の矎埳を提唱しおいたす。

  • 愛埳(Charity)
  • 信埳Faith
  • 望埳(Hope)
  • 賢明Prudence
  • 剛毅(Fortitude)
  • 正矩(Justice)
  • 節制(Temperance)

 4䞖玀のアンブロシりス叞教、6䞖玀のグレゎリりス教皇により、枢芁埳の䞭で「節制」ずいう埳性がキリスト教の芁ずされたした。13䞖玀のペヌロッパ階士道においおも「節制」は尊ばれたす。1113䞖玀に建おられたフランスのシャルトル倧聖堂には、「信埳、望埳、愛埳、質玠、賢明、謙虚、剛毅、枩順、和合、恭順、忍耐」ずいう11の矎埳が、それらず盞反する悪埳ず戊うモティヌフで描かれた絵画が食られおいたす。ここには、「節制」「正矩」が芋られたせん。キリスト教における重芁な埳目ずは、圓時の教説に関連し、時代ず共に倉化しおいるのでしょう。

✒四埳【しずく】

 䞭䞖ペヌロッパ瀟䌚では、「賢明Prudence」「剛毅【ごうき】Fortitude」「正矩Justice」「節制Temperance」の四埳が、人間の基本埳性であるずしお尊ばれたした。それぞれが、アルカナ「隠者」「力」「正矩」「節制」に衚されおいるものだずいう説をご存知の方も倚いでしょう。この四枚に限らず、タロットの倧アルカナ22枚それぞれに埳性が暗瀺されおいるものであるずいうこずができるこずを、本曞では、力、正矩の項でお䌝えしおいる通りです。

ルネッサンス期に流行した、埳に぀いおの䜜品には、ロヌマの哲孊者ルキりス・アンナ゚りス・セネカLucius Annaeus Senecaの『幞犏な人生に぀いお』などがありたす。 

関連アルカナ・悪魔

✒半人半獣、ギガンデス

 倚くのタロットにおいお、アルカナ「悪魔」には、䞡性具有の半人半獣が描かれおいるこずが垞です。半人半獣ずいえば、本曞でも叀代゚ゞプトのスフィンクスに觊れたした。私達に銎染みがあるのは、12星座の射手座になったケむロヌンなどでしょうか。ケむロヌンは、ギリシア神話に登堎する半人半獣のケンタりロス族の䞀員で、䞊半身が人間、䞋半身が銬の姿をした銬人です。音楜の神アポロンず月の神アルテミスから教育を受けたため、他の銬人族ずは䞀線を画する存圚でした。音楜、医療、予蚀、狩猟の力を授かり、人間ずも芪しく付き合い、ペリオン山の掞穎でギリシアの若者を教育するこずもありたした。歊術を教えられた勇者ヘラクレス、医術を䌝授されたアスクレピオス、銬術を䌝えられたカストなどず、皆ギリシア神話における英雄的な存圚にずっお、ケむロヌンは掛け替えのない垫であったのです。倧神れりスは、この優れたケむロヌンを死埌倩界ぞ䞊げ、黄道十二宮の九宀、人銬宮を叞るように取り蚈らったのでした。

 ギリシアにおいおは、半身半獣の他に、倚くのギガンデス、䞍自然な䜓をした凶暎性を持った生き物が登堎したす。獅子ず山矊を぀なぎ合わせたような胎䜓のキマむラは、それらの野獣性を備え぀぀人間の知恵も授けられおいたずいわれたす。同様に、スピンクスやタむフォンもギガンデスに属する半身半獣ず考えおよいでしょう。タむフォンは、火を吹き台颚を巻き起こすこずで知られおいたすが、圌らを恐れ倚くのギリシアの神々が䞀時゚ゞプトに非難したずいわれたす。その時に、れりスは牡矊に姿を倉え、゚ゞプトの角を持぀アムモン神ずしお厇拝されるようになったず䌝えられおいたす。これは぀たり、ギリシア神話埩興埌も、しばしば゚ゞプトの神ずそれぞれの逞話が䞖に流行するこずがあったずいうこずなのです。その郜床、人々が衚珟する神の名前ず圢ずに倉容が芋られるようになったのでしょう。

 The Pictorial Key to the Tarotの䞭でりェむト博士は、タロットぱゞプト象城䞻矩の代物ではないこずを䞻匵しおおり、゚ゞプトのスフィンクス、そしおギリシアのテュポンを同時に描くずいう構図もその䞻匵が衚れおいるずころなのではないでしょうか。

関連アルカナ・塔

✒ゞッグラト

 シュメヌル時代、メ゜ポタミア諞郜垂においお、「ゞッグラト 聖塔 Ziggurat」なるものが建造されおおり、これが、いわゆる旧玄聖曞の「バベルの塔」の逞話の元になったものではないかず蚀われおいたす。珟圚、りルず呌ばれる郜垂遺跡に芋られるゞッグラトは、玀元前2050幎頃に建造されたものを埩元させたもので、ピラミッドを圷圿ずさせる盎線的な倖芳ずなっおいたす。

※参考挿絵  山川出版瀟 䞖界史 資料集

関連アルカナ・星

✒星蟰信仰

 自然厇拝の䞀皮、光、ないし光るものを神ずしお厇め奉る「星蟰信仰」は、文明の発祥ず共に起こったものだずいわれおいたす。人類史を遡っおみれば、人々は神の物語を創造しながら、神の加護を埗ようず、その存圚の真実の姿に少しでも近づこうず祈りを捧げる毎日であったこずがうかがわれたす。その毎日の暮らしの䞭で、様々な物を枬る尺床ずなった倪陜・月の光の満ち欠け、星の軌道は必芁䞍可欠なものであり、これらを応甚した占星術ずは、圌らの死掻問題に関わる重芁な道具であり技術でした。占術ずは、有史時代に入っお道具を手にした人が、同時に持ち埗た最叀の技術でもあるのです。

おそらく既に、シュメヌル人にも星蟰信仰があったず掚察できたすが、圌らの信仰は地母神などどちらかず蚀えば倧地に向けられる傟向にあったようです。

゚ゞプトの文明においお、人々にずっお、光が厄灜を避けるためのものであった蚘録が残されおいたす。 来䞖信仰ず共に発達し、人間の肉䜓は滅びおも、魂は倩空の星ず化し、氞遠に茝き続けるず信じられおいたした。䞭でも倩極に茝くひず぀星・北極星、䞀等星のシリりスが芋られるおおいぬ座、オリオン座は、䞀幎を通じお倜空に姿を芋せおいるこずから、䞍滅の象城ずしお圌らは敬意を払いたした。

✒光、光明こうみょう

 光、たたは、光るものは、神性、神的゚ネルギヌの象城であり、今日の私たちの生掻においおも、将来ぞの明るい芋通し、垌望を瀺すものずしお認識されおいたす。仏教においおは、智慧(ちえ)や慈悲の象城でもありたす。倪叀から「光」から始たった人、「光」が産んだ神に぀いおの神話が叀今東西に䌝えられおいたす。

 最倧玚の倪陜は䞀者の神、創䞖䞻、父暩などを衚すものずされおきたした。盞察しお、倜空の倪陜ず厇められた月は、非存圚、䞍可芖の存圚、芋えざる領域であり力であり、朜圚性ず母性の象城ずされる傟向がありたすが、地域によっおはこの倪陜ず月が象城するものが逆転しおいる堎合もありたす。星は、この倪陜ず月の申し子、倧いなる父ず母を持った私たちひずりひずりの茝き、浪挫を感じさせながらもどこからずもなく生たれ消え行く儚い定めを背負った人の子の象城です。20䞖玀最倧ずいわれるオカルティスト、アレむスタヌ・クロりリヌのこずば「すべおの男女は星である」ずは、圌の最倧の功瞟かもしれたせん。

キリスト教においおは、混沌を光ず闇ずに分ける神の創生䜜業から、倩地創造の物語が始たりたす。星は、むコンの䞭で、聖母マリアの冠や衣服に芋られたす。たた、の星が描かれおいる時にはむスラ゚ルの郚族、䜿埒を象城し、倜空に茝く無数の星はアブラハムの子孫、即ち神の申し子ずしおの地䞊の民、信者ひずりひずりを衚すものだずもいえるでしょう。闇を制し光をもたらした朝日、明けの明星がキリストの象城であるのに察しお、聖母マリアは海の星ずしお衚されおいたす。

 いわゆる西掋占星術ずは、個人の出生時の星の配眮図、即ちホロスコヌプを解釈するこずから始たりたす。䞻芁惑星ず呌ばれる十の星の䞊び方で、その人のパヌ゜ナリティや人生傟向を刀断する占いです。360床の円の䞭に、それぞれ違った圱響力のある星たちが、どのように散らばっおいるかが描き出されたおのがホロスコヌプであり、この円の䞭で、惑星たちがそれぞれどのような角床を取り合っおいるか、その数倀が重芁な刀断材料になりたす。ひず぀の出生図はひずりの人間の人生瞮図であり、倧いなる宇宙の䞭の小宇宙であるずも解釈されるのです。

✒星

倩空に茝く「星」は、倪陜、月ず䞊んで、倪叀より人が「神聖なる光」ずしお厇める䞉光のひず぀。

 りェむト版アルカナ「星」の情景は、北極星を軞に、その呚囲を回転しおゆく北斗䞃星の぀星、即ち倧熊座が描かれたものであるずも、女神むシスの象城・シリりスず、その呚囲に茝くオリオン座が描かれおいるずも解説されおきたした。北極星は、地球の自転軞の延長方向にあるため、通幎真北芋えたす。故に、゚ゞプト人によっお䞍滅の象城ずされたのです。圌らは、この星を目印にしお、方角や時間の経過に぀いお倚くの情報を埗たのでした。たた、倩空に茝く青癜い䞀等星、党倩で最も明るい恒星シリりスは、圌らにずっお倜空の倪陜ずみなされたした。ナむル川の氟濫を知らせる星ずしお重芁な圹割を果たすこの星は、英知の象城・女神むシスの星、その近くに付き添うように茝くオリオン座は、䞇胜神オシリスの象城ずされたのでした。

 アルカナ「星」には、䞍死鳥が描かれおいたす。キリスト教矎術では、生呜の朚にずたる鳥ず朚に絡み付く蛇ずが戊う図像が、善ず悪ずの戊いを象城ずしお描かれたす。たた、ペリカンは、む゚ス・キリスト自身を象城する鳥ずされおいたす。自ら胞を突き流れ出た血によっお、蛇に殺された雛鳥を埩掻させる図像が残されおおり、む゚スの自己犠牲ず献身を衚すために描かれるずのこずです。

関連アルカナ・月

✒フリヌメむ゜ン

 フリヌメむ゜ンは、11䞖玀のペヌロッパの石工たちによっお構成されたギルド特暩的同業者組合が起源であり、今もなお、自由、友愛、平等の䞉粟神を基本原理ずしお掲げる博愛䞻矩団䜓ずしお存続しおおり、䞖界各地で「神性の远究、内的探求」をテヌマに集いが開催されおいたす。石工たちに䞍可欠な職人道具である、盎角定芏ずコンパスがフリヌメむ゜ンのシンボルです。フリヌメむ゜ンにおける、コンパスず盎角定芏は、完党なる円ず正方圢、即ち、倩ず地の融合を瀺し埗るものであり、たた、コンパスが盎角に開いお描かれる時は、肉䜓ず粟神が理想的な均衡を保っおいるこずを瀺すものずされおいるずのこず。こういった図像解釈における定匏は、䞭䞖以来近代にかけお成立したようです。

 コンパス、党おを包括する宇宙、宇宙䜓系ずいう論理的思考、人類愛、人類党䜓に広がる芏範を象城するシンボルずしお、珟圚では党䞖界で広く䜿甚されおいたす。 

※参考図フリヌメむ゜ン関連の図版

✒゚ステンシ・タロットの月

 ゚ステンシ・タロットが䞖に出たのは15䞖玀。「月」は、人智の光、内光、Inner Lightの芜生えを象城するものであるずしお、コンパスを描き蟌んだ画家は、フリヌメむ゜ンの存圚を意識しおいたのでしょうか。アルカナ「星」の段階で生たれた垌望を、ただほの暗い地䞊でどう具珟しようかず暡玢する人の意識が描かれおいるような札です。

関連アルカナ・倪陜

✒倪陜

 シンボルの䞭のシンボル、シンボルの王者ずも蚀える「倪陜」です。倪叀においお、䞇物の生みの芪、唯䞀神ず厇められたこの恒星は、数千幎の時を経お今もなお私たちの頭䞊で生呜の光を、生きずし生けるものに䞍可欠な゚ネルギヌ源ずしおさんさんず䞎えおいたす。

 ゚ゞプト神話の䞻神、倪陜神ラヌ、ギリシア神話の英雄、倪陜神アポロン、自らを「倪陜王」ず名乗ったフランス囜王ルむ十四䞖等に芋られるように、叀今東西の人々にずっお、倪陜は普遍的な暩嚁の象城ずしお尊ばれおきたした。男性神、囜王のシンボルずしおの倪陜はあたりにも私たちの意識に浞透しおいたす。倩空に茝くその熱ず光が男性の血気ず結び぀けられ、察しお、地䞊を最す冷たく流動的な氎、海、倧地そのものは、女性の緒力ず結び぀けられ、その象城を倪陜ず察の関係にある「月」ずしたのでした。

✒倪陜ず月

 それぞれ盞察する男性ず女性の緒力を担うものずしおひず぀の組みになり、ひず぀の䞖界が圢成されるずいう神話がよく知られおいたすが、時代や土地により倪陜ず月の圹割が入れ替わっおいるこず、月が男性神で、倪陜が女性神であるこずなどは珍しくはありたせん。シンボルは、人の意識ず感性により生み出されるものですから、時代ず共に倉化し掚移しおゆくものなのです。月を粟神、心の象城ずし、察照的に、倪陜を肉䜓、物質ずするずいう定説は、䞀重に倚くの人を説埗できるものであったから、そうなっただけのこずです。西掋においおは、ギリシア神話が定匏化の決定打になったように思われたす。

 そう定めるこずに利䟿性を芋出した時の暩力者たちに利甚されおきたような節があるずしおも、結果ずしお倚くの人々の心に受け入れられた説が、䞖代を通じお語り継がれ、人々の意識や生掻に定着するこず、これが「䌝統」です。長い歎史を背負った、象城、シンボルずいうものですから、端的に扱うこずは避けたいものです。

 倪陜神を女性ず芋なす神話は東掋に限らず倚々芋られたす。日本では、倩照倧神が奉られおいたす。最初の神である「創䞖䞻」は、原理的に女性でなくおはならないずする説や、最叀の神は倩空よりも、豊穣を叞る地母神であるはずだずいう人々のある意味本胜的な感芚がそこにはあるのです。「倪陜」に男性の諞力、絶察的暩力、支配力を芋るか、女性の諞力、宇宙の起源、呜の源泉を芋るか、そしおそれを男性に䟋えるか女性に喩えるか、各所の地域性にも関係するずころでしょう。

✒倪陜ず銬

 様々なタロットの䞭で、第19のアルカナ「倪陜」に、銬に乗った幌児ずいう図像を採甚しおいるデッキが倚々芋られたす。「倪陜」は、文字通り日の出、生呜力、出生ず誕生の象城であり、「死」の察極です。しかし、生ず死は切っおも切れない関係性にあり、あらゆる生き物が遞択の䜙地のなく、負わなければならない運呜なのです。その抵抗し難き波の勢力、抑えきれない生呜力の凄たじさが、躍動する銬の姿に象城されおいるこずは、それが「生の札」であろうず「死の札」であろうず倉わりありたせん。

 䜕人も䟵しがたい呜の生誕ず死。疟颚はやおのように珟れ立ち去っおゆく銬䞊の人間ずいう構図に集玄されるのでしょう。

関連アルカナ・審刀

✒最埌の審刀

 通垞、審刀ずは、芏則、戒埋、ルヌルに基づき䜕らかの案件を審議し刀定を䞋すこず。法の䞋における裁き、埋法、公正な刀断を瀺すアルカナずしお「正矩」を介したしたが、これずは違っおこの第二十番目のアルカナに描かれおいるのは、キリスト教における「最終審刀」であるこずに着目しお䞋さい。即ちそれは 「公審刀」「䞖界審刀」ず呌ばれるもので、宗教事兞によれば、䞖界の終末に党人類が受ける神の裁きず定矩されおいたす。他方、個人の死埌、生前の行いが裁かれるこずを「私審刀」ず蚀いたす。こちらは、䞀個人が死埌、生前の行いに぀いお神から受ける裁きを指したす。いずれにしおも、身近な裁刀所で執り行われおいる真理ずは䞀線を画すものです。

✒終末思想ずペハネの黙瀺録

 私たち人類が最期を迎える時がい぀か蚪れるずいう芳念は、宗教䞊の考え方ずしおは、珍しいものではありたせん。新玄聖曞に芋られる「ペハネの黙瀺録」は、む゚ス・キリストの匟子ペハネが、む゚スにより受けた啓瀺、及び幻芖が曞き蚘された章であり、䞖界で最もよく知られおいる人類滅亡の様盞が぀づられた䜜品だず蚀えるでしょう。

 ペハネの黙瀺録のあらたしは以䞋の通りです。

む゚スの第䞀䜿埒ずも蚀われるペハネは、死埌埩掻したむ゚ス・キリストの霊によっお、各地の教䌚に信仰心が薄れおいくこずに察する譊告の曞状を送るよう呜じられたす。その埌、倩の門が開き、ラッパのような呌びかけの声ず共に、これから起こるであろう事柄を芋せられるのです。神の埡座には、碧玉や赀瑪瑙めのうのように芋える神ず、その呚囲を取り囲む24人の長老たちが芋られたした。埡座では、神の぀の霊が炎ずなっお燃えさかり、埡座の前には氎晶のような海が広がり、さらにその぀の生き物、それぞれ獅子、雄牛、人、鷲のように芋え、぀の翌を持ち党身が目で芆われおいる生き物がいたのです。埡座ず匹の生き物ずの間に、ほふられた小矊がいたした。぀の角ず぀の目を持ったその小矊は、党䞖界に䜿わされた神の぀の霊の衚象、これがむ゚ス・キリストの姿だったのです。

 小矊が、神の手にある巻物の぀の封印のひず぀を解くず、぀の生き物の䞀匹が「来たれ」ず叫び、その床に、癜い銬、赀い銬、黒い銬、青癜い銬ず総勢四皮の銬が、神の埡怒りの報埩に出るのでした。ここからが地䞊の最期です。神の最終審刀ずその結末の䞋りぞず移項したす。

 この埌、぀の教䌚、぀の封印、぀のラッパ、぀の鉢が登堎するずころなど、「黙瀺録」においおは、ずずいう数字に重芁な暗瀺が蟌められおいるこずが分りたす。これらの象城や数をどう読み解くかずいう分野は黙瀺文孊ず分類されおいたす。

 異教埒、キリスト教を匟圧する者たちによっお荒らされ汚【けが】れた地䞊を成敗せいばいするが劂く次々ず神の埡䜿い、倩䜿が珟れ、それぞれがラッパを吹き鳎す床に地䞊が焌け、埐々に人々を死に至らしめおゆくこずになるのでした。人の埡䜿いが登堎し、各々が手にしおいた神の怒りに満ち溢れた鉢、぀の灜いの満ちた鉢を倧地に、海に、空に傟け、いよいよ䞖界は終わりを迎えたす。

 しかし、この人類史に最期の幕が䞋りる前に、神はひず぀の仕掛けをしおいたのです。神を信じ教矩を守り抜いた敬虔な信埒は既に遞別され、その名を巻物に蚘しおいたのです。最埌に封印が解かれたこの「いのちの曞」に名前が䞊げられおいた者は、神の救枈をここで埗るのです。荒れ果おた倩ず地が消倱するず同時に、新しい倩地が創造されるのでした。

✒アルカナ「審刀」ず終末思想

 アルカナ「審刀」を、必ずしもある皮の思想・宗教䞊の教矩を前提に解釈する必芁はありたせん。あらゆる生呜䜓に共通しおいるこずは、生たれおそしお死んでいくこずに尜きたす。生ず死は、私たちの根幹的なテヌマです。「私たちは䜕故生たれおきたのか、死んでどこぞ行くのか」ずいう問いに察しお、䞇人を玍埗させる回答はあり埗たせん。それでも人はそれぞれその人なりに、人生のある地点で答えを出すのではないでしょうか。幎霢を経お、その答えが移り倉わっおいく堎合もあるでしょう。私たちが远い求めなければならないテヌマであるこずを、象城的にそこに芋たす。

 目には芋えない䞍可芖の䞖界に぀いお、死埌の䞖界に぀いお、善悪の戊いず勝敗に぀いおの芳念がどれだけ物語にドラマに絵画に映像になっお、私たちの振る舞いから内面的な情動たでを、日垞生掻を刺激しおいるかを考えおみたしょう。幌い頃に奜むず奜たざるずほが無意識の内に目にし、耳にする童話、叀今東西で語り継がれるおずぎ話の倚くが、懲眰的な死を説き、玔真無垢な粟神性が報われるストヌリヌに終始しおいるではありたせんか。たずえ、特定の神仏に信心しおいなくおも、死埌の䞖界、「公審刀」の存圚を意識しおいる人達の数が圧倒的倚数を占めおいるこずは事実でしょう。

 アルカナの連続性札番号により連続性のある解釈が結び぀けられるこずがありたすが、肉䜓が生誕する「倪陜」から、死者の生たれ倉わりを瀺す「審刀」の二枚を぀なげお意味のある解釈を求めるのは、䞀皮無理がある䜜業ではないでしょうか。むしろ、生たれ倉わった新たな新生児ずしおの魂を「審刀」に芋出すこずで、19番ず20番の二枚の札をそれぞれ肉䜓ず粟神における等䟡的な象城ず刀断するのが劥圓だず、筆者は考えおいたす。

関連アルカナ・愚者

✒愚者の颚貌

 杖の先に荷物をぶらさげお肩にかけ、旅をしおいるのが兞型的な「愚者」。「狂人matto」「こじきbeggar」なるタむトルが぀けられ、みすがらしい男性が描かれおいる䞀方、りェむト版に芋られるように、「無防備な冒険者」が描かれおいるデッキも珟圚出回っおいる䞭には倚いようです。

 若者か老人かに二分するようですが、「旅人」「颚来坊」を思わせる絵柄に「流浪の民ずしおの人生」が暗瀺されおいる暡様。ノィスコンティ版「愚者」には、髭を生やしみすがらしい衣服の䞋から肌着がのぞいおいるような、䜕ずも貧盞な、道化のようにさえ芋える男が描かれおいたす。埀々にしおその人物の足に、犬、ネコ、ワニなど小動物が噛み付いおいる姿があり、それらは「人に守り神の存圚があるこず」「人間の浅はかさや愚かさの異圢」であるなど、衚されおいるこずには諞説ありたす。

 トランプの「ゞョヌカヌ」を圷圿ずさせる様盞も特城的ですが、トランプにゞョヌカヌが加えられたのは、タロットの発祥よりだいぶ埌のこずです。

✒愚者ず狂人の擬人像

 キリスト教矎術の擬人衚珟においお、1200幎頃のフランス、パリのノヌトルダム倧聖堂やアミダン倧聖堂に芋られる「狂気」の擬人像が、叀兞的なタロットのアルカナ「愚者」を圷圿ずさせるものであり、倧倉興味をそそられたす。擬人像は、キリスト教における䞃぀の矎埳のひず぀「賢明」に察しお描かれたものであり、ほずんど衣服を぀けおいない男が棍棒を持った姿をしおいたす。その隣には「信仰」、それに察する悪埳「偶像厇拝」の擬人像などが䞊んで描かれおいたす。

䞭䞖期ペヌロッパの物語の挿し絵に芋られる狂人が、チヌズなど食べものをくわえた姿で衚されるのが䞀般的ですが、いずれも、ほずんど衣服を぀けおいない男が、呚囲からの冷やかしやいやがらせを避けるために、護身のため棍棒を持ち立っおいる姿をしおいるのが特城です。

 他にも、この黄道十二宮の擬人像も芋られ、

※シャルトル倧聖堂の図版を入れたい

関連アルカナ・䞖界

✒タロットに芋られる西掋文化

 ノィスコンティ版は、キリスト教色の濃いタロットずなっおいるようですが、そもそも圓時創䜜された矎術䜜品、絵画の倧半がキリスト教をモティヌフずしたものであるこずが、たず理由に䞊げられたす。タロットずいう絵札の絵にも、時䞖が反映されお圓然でしょう。掻版印刷が発明される前の15䞖玀ず蚀えば、曞物も絵画も垌少品でした。手にするこずや目にするこずができるだけで、それが䞀皮のステむタスだったこずが掚察できたす。それらの倧半が、キリスト教文化の担い手たちによっお生み出されたものでありたした。蚀い方を倉えれば、文化・教逊の䞀環、たしなみのひず぀ずしお存圚するアカデミックな玠材は倧抵、キリスト教に関する代物であったのです。圓時のペヌロッパ瀟䌚では、ノィスコンティ䞀族のみならず、あらゆる貎族、䞊流階玚の人々が、圌らの信心深さの劂䜕に関わらず、䞀皮矩務教育ずしお聖曞を読み、宗教画を鑑賞しおきたわけです。ペヌロッパの政治経枈、歎史に携わる諞䟯䞀族にほどこされた、いわゆる゚リヌト教育そのものが、キリスト教色に色濃く染たっおいたのです。この時期䜜成されたタロットに、文化ず教逊のベヌスであった宗教的なモティヌフが倚く取り入れられおいる所以がおわかりいただけたでしょうか。

占術家の冠、私たちに内圚する「女神」

 りェむト博士は、描かれおいるリヌスを「占星術垫の冠」であるずし、リヌスの䞭で螊る女性を、宇宙の神秘を知るに至った時の私たちの内的な光であるず、アルカナ17「星」の女性の異圢であるず述べおいたす。

 

 私達には、サむンが必芁なのです。シンボルによっお、そのサむンを瀺しおくれるのがタロットであり、私たちに内圚するHigher Powerずの亀信に匹敵するこずでしょう。タロット占術で導き出せる答えは、圓事者の心の䞭にあるずいう人も倚く存圚したす。圓事者だからこそ、向き合いきれない心に察しお働きかけ、円満な解決法を導き出す、それがタロット占術であるこずを䌝えおくれる札、それが倧アルカナ22枚なのです。

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