1~9の数と図形について
1
ACEとは、トランプなどの1番の札を指す他に、ゲームなどで最初の得点を示したり、テニスの世界においては、サーブで得た1点、ゴルフではホールインワンを指すこともあることばです。抜きんでた存在感、優秀さにおいて一番であることを示す絶対的な序列を表現するのに欠かせないことばです。解釈においては、単なる1ではなく、ひとつのスート、その象意が極められた状態を指し示して出ていることに注意しましょう。
2
図像学的に、2は、点から描き出せる線で表されます。二本の柱に示されるように、安定感があり、物事の土台や基本を表す数です。古来より、1が太陽であるならば、2は月になる必要がありました。月に象徴される女性の諸力を担う数の最初の数です。他の数も含め偶数は、割り切ることができる性質、即ち、切り分けることが容易なため、奇数よりも劣る数であるとされました。
3
図像学的に、3は、三点を結んで描き出せる三角形で表され、これが二本の線では作ることができなかった枠組みを形成する最初の数です。男女を表す2を上回る数、即ち、超自然的、神の力を担う数として古来より扱われてきました。枠で囲まれた場所は、結界を示し、魔除けや儀式を執り行うことにも使用されました。モノを最も安定させる方法は、三点を支柱でささえるスタイルです。化学の実験で使用される「三脚」がそのひとつです。
4
図像学的に、4は、四点を結んで描き出せる四角形で表されるものです。身近な部屋、勉強机、本、多くのものが四角形であることからわかるように、現在私達の日常生活に最も利便性を備えた図形として浸透しているものです。四つの角が90度をとる正方形の部屋は、私達の生活空間の基本です。3が、神性、天界を示す数であるなら、4は、人間が住む世界、下界、俗世間の数、大アルカナ「皇帝」なのです。
5
図像学的に5は、五点を結んで描き出せる五角形、五芒星(ペンタグラム)で表されるものです。古来より、天に輝く一つ星は、創世主が地上に生み出した子どもたち、唯一無二のひとり子の象徴でした。聖書の中では、イエス・キリストの生誕は、ベツレヘムに輝く一つ星の出現で表現されています。ルネッサンス期の芸術においては、レオナルド・ダ・ヴィンチの「人体図」に、また、オカルティズムの領域においては、トート・タロットの創作者でもあるアレイスター・クロウリーが残した名言「全ての男女は星である」ということばにも注目してみて下さい。
6
図像学的に6は、六つの点をつないで形成される六角形、六つの頂点を持った、六芒星(ヘキサグラム)で表されるものです。正三角形と逆三角形を重ね合わせた図形、即ち上なるものと下なるものとの合一、まさに「完全」の象徴である図形が六芒星です。古代の人は、この図形に恵み多き神の存在その物を見たのです。六角形の雪の結晶が、自然が生み出す最も美しい天然の形とされるように、セフィラー「ティファレト」は、、「完全なる美」と呼ばれます。
7
7と言えばラッキーセブンで知られるように、古今東西で幸運の数、強い数として扱われる傾向。古代シュメールで発見された七惑星が、日常的な周期を扱う物差しとされ、一週七曜日制度が確立して以来、七という数字は、私達の生活を規定する重要な数字となります。日本にも、七を一単位とした祝い事、儀式が多く存在します。
3の神秘性と4の現実的な安定とを足した数、最も美しい図形とされた六芒星を上回る数、四角い土台からそびえ立つ三角柱のピラミッドを表す数として、太古から世界各地で尊ばれてきた数であり、この驚異を軽んじるべきではないでしょう。
8
8は、複雑な象意を持つ数です。西洋では、8本足のは虫類や昆虫を不浄の生き物として扱うところから、不吉な数とされることが多いもの。もともと偶数であることから、女性の数、弱い数であるともされがちです。一方で、この数は無限大を示す「インフィニティ/∞」の記号の元にもなったものです。
9
9は、潜在能力の数。潜在意識とは、人間に内在する超自然的な力、訓練次第で、超自然的な波動を受け、また発信する力を指し、通常の生活ではほとんど使われていない大脳のある部分が司るものとされています。人の心やヴィジョンなど、そこにないものを「見る」力、宇宙意識の声を「聴く」力を示す力。